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2024.03.14

スタイリスト吉野 誠 編

プロが伝授する、ちょいエロなシャツの着こなし

重いコートを脱いで薄着が楽しめる春の季節。それは男の色気を解放するのに絶好のタイミングです。今回は熟練スタイリストが実践する、エロな装い方企画の第二弾。滑らかシャツで惹き付けるというテクニックは、誰にでも真似しやすいもの。これは参考になりますよ♡

CREDIT :

写真/干田哲平  構成・文/長谷川 剛(TRS)

先行しがちな絹の色気を品格でしっかりオブラート

スタイリスト吉野 誠
LEON本誌において巻頭のファッション特集や「買えるLEON」等のページでも、色気あるコーディネートを披露してきた吉野 誠さん。スタイリスト歴20数年のノウハウにて魅せる服選びのセンスや合わせのテクニックは、業界随一との評判です。もちろん自身の着こなしにこだわりがないワケなく、高感度かつ男らしいスタイルを日々貫いています。そんなテクニシャンにこの春実践するであろう、ちょいエロな着こなしテクを見せていただきました。

編集部のリクエストに応じ、吉野さんが今回紹介してくれたのは、春らしい軽快なシャツのこなし技。一見ノーマルなドレスシャツの装いですが、確かにじんわーりお色気が漂ってきます。一体ナニがポイントなのでしょう?

「実はこのシャツ、オールシルクなんです。このテロッとした艶感はコットンなどでは絶対出せない滑らかさ。あえてシックなカラー、そして正統派に着こなすことで、大人の品格と遊び心がちょうど良いバランスのルックスになるのです」(吉野)
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大人のエレガンスのなかにキラッと光るエロのエッセンス。見慣れているはずのシャツスタイルも、こだわればここまで小粋に仕上げられるのです。最近の吉野さんは、どことなく“キョージュ”な渋味が出てきています。
▲ 大人のエレガンスのなかにキラッと光るエロのエッセンス。見慣れているはずのシャツスタイルも、こだわればここまで小粋に仕上げられるのです。最近の吉野さんは、どことなく“キョージュ”な渋味が出てきています。
確かに少しメランコリックで優雅なたたずまいは、ビジネス的なドレススタイルにはないもの。いくつか吉野さんなりのこだわりを伺っていきましょう。

「まず、やや大きめのフィット感がポイントです。ツヤツヤ素材なのにタイトめを選んでしまうと、過剰にイヤらしく見えてしまうことも。大きめフィットを選ぶことで余裕を感じさせますし、シルクのドレープが優雅に映えるのです。また、昨今のトレンドとも合致した今風のシルエットであることも見逃せません。過剰にエロくならぬよう、シャツのボタンもトップまで留めて着るのが今季の気分です」(吉野)
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ゆったりフィットのこのシャツはユナイテッド トウキョウのもの。シルクは触れても触れられても心地よい素材です。吉野さんは数回洗いを掛けて、シルクの艶を適度に抑えているのだそう。
▲ ゆったりフィットのこのシャツはユナイテッド トウキョウのもの。シルクは触れても触れられても心地よい素材です。吉野さんは数回洗いを掛けて、シルクの艶を適度に抑えているのだそう。
このシルクシャツに合わせるなら、パンツはダークカラーが良いと吉野さん。ブラックのウールスラックスが非常にシックでドレッシーな印象です。

「パンツもシャツのテンションに合わせてやや緩めのフィットを選んでいます。パツパツな細身を選んでしまうと、エロが前面に出すぎてしまうので要注意。色気を主張したい時ほど、控えめに抑える部分を意識的に設けるのがオトナの節度だと思います」(吉野)

適度なゆったり感でエロは急がずじんわりと

黒色のウールパンツはタンジェントのもの。1プリーツ入りで腰回りにややゆとりあるフィットです。
▲ 黒色のウールパンツはタンジェントのもの。1プリーツ入りで腰回りにややゆとりあるフィットです。
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なるほど。はやる心を抑えて、安心材料を撒き餌にすることを忘れちゃイケナイということですね。実に参考になりますね。そしてお次は足元のこなし。当然それにもベテランスタイリストらしいチョイスがあるようです。

「やっぱりシャツ一点だけだと、こちらの意図が伝わらず空振りに終わる可能性があるもの。ヌーディなポイントを作るという意味で、グルカサンダルは理想の一足と言えるでしょう。同じ素足系でもカジュアルなサンダルだと、やはり砕けすぎ。自然に素足のチラ見せができつつ、本格シューズのシックさを兼備するグルカは、オトナのための一足なのです」(吉野)
吉野さんが愛用するグルカサンダルはジャコメッティ。素足をほど良く露出させるため、パンツはノークッションのレングスで。
▲ 吉野さんが愛用するグルカサンダルはジャコメッティ。素足をほど良く露出させるため、パンツはノークッションのレングスで。
さすが、トータルで魅せるテクを持つスタイリストは、細部にも抜かりがありません。……と思ったら、さらにダメ押しの一手があるとのこと。ふむ、コレは実に興味深い。
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小物や仕草を駆使して艶っぽさを援護射撃

「ときどき変化を演じてあげるのも、ギャップ作りではありませんが、相手の気を引く切っ掛けになると思います。たとえば食事やバーのシーンなど。時おり眼鏡を外しフレームをイジって間をもたせてみたり、髪を無造作にかき上げるなどはちょっとしたアクションになります。一例にすぎませんが、眼鏡をカチューシャ代わりに使って顔回りに変化を付けるのもひとつの手」(吉野)
スタイリスト吉野 誠
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ふとした仕草に色気が漂うコトってありますよね。眼鏡は確かにワザとらしくなくギャップを作り出せるちょうど良いアイテム。髪形を瞬時に変えて“味変”を狙うとは、まったく大したキョージュです。
▲ ふとした仕草に色気が漂うコトってありますよね。眼鏡は確かにワザとらしくなくギャップを作り出せるちょうど良いアイテム。髪形を瞬時に変えて“味変”を狙うとは、まったく大したキョージュです。
「その時、細身のメタルフレームだとヘアを固定するキープ力に若干の問題が生じます。対して太枠眼鏡だと、きっちりホールドできるのでオススメですね。また、クラシックなダークフレームは少し知的に見えるところもリコメンドの理由。押しの要素と引きの要素。この駆け引きを十分に駆使してこそ、オトナのスタイルではないでしょうか(笑)」(吉野)
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ボストン風の太枠眼鏡は、オブジェイースト×レインメーカーのもの。実はコレ、黒縁ではなくダークネイビーのクリア素材。シャツとカラーを揃えるなど、いろいろと考慮されているのです。
▲ ボストン風の太枠眼鏡は、オブジェイースト×レインメーカーのもの。実はコレ、黒縁ではなくダークネイビーのクリア素材。シャツとカラーを揃えるなど、いろいろと考慮されているのです。
ま・さ・に目ウロコ(笑)。単にエロまっしぐらでは、せっかくの努力も無意味になってしまうことがあるもんです(遠い目)。皆さま、今回の注目ポイントはシルクのシャツと引きの要素。大人のエロはじんわーり品良く効かせる、が合言葉なのです。
スタイリスト吉野 誠

● 吉野 誠 / スタイリスト

1977年、千葉県生まれ。雑誌LEONをはじめ複数のメンズファッション誌やゴルフ誌、それに広告ビジュアルのスタイリングで活躍。ドレスやモード、それにカジュアルスタイルを取り混ぜたスタイリング技は、業界でも評判。2023年には、ゴルフを軸に多様なスポーツの要素をミックスさせたブランド、「ノンプロフェッショナル ゴルフクラブ」をローンチ。

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