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2024.03.08

スタイリスト 村上忠正 編

プロが伝授する、ちょいエロな大人の春コーデ

重いコートを脱いで薄着が楽しめる春の季節。それは男の色気を解放するのに絶好のタイミングです。そこで熟練スタイリストに、自らが実践するエロな春の着こなし方を聞いてみました。自分らしくしかも大人っぽい色気漂うコーディネートはサスガのひと言。これは参考になりますよ♡

CREDIT :

写真/干田哲平 構成・文/長谷川 剛(TRS)

村上忠正 スタイリスト

クラシックな男っぽさが大人の渋味を引き立てる

ベテランスタイリストとして各種メディアにはじまり、俳優やタレント、広告などのスタイリングを手掛ける村上忠正さん。LEON本誌でもエレガントかつリアリティのあるコーディネートを長年披露し続けている達人クリエイターです。そしてインスタグラムやFacebookに関しても、スタイリングを日々公開し人気を博す第一線級のマスターです。そんな熟練のスタイル職人ですが、実は一番の見どころは、男っぽく色気溢れる村上さん自身の着こなし。
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そもそもコーディネートとは、服などアイテム同士の組み合わせ方のことですが、最終的には着る人のキャラとのコーデが一番のキモだったりするワケです。そこへいくと村上さんの自前コーデは常にパーフェクト。どこを取っても“ムラチュウ”そのもであり、さらに男の色気がナチュラルにしたたるスタイルをしっかり完成させているのです。
ムリに作り込んだ洒落感はどこか不自然。あらゆる瞬間やポーズにおいて成立したスタイルが、こなれ感を生みだし“エロ”につながるのです。
▲ ムリに作り込んだ洒落感はどこか不自然。あらゆる瞬間やポーズにおいて成立したスタイルが、こなれ感を生みだし“エロ”につながるのです。
そこでこれからの春に向けて、小粋でエロい着こなし方をぜひ見せてほしいとリクエスト。「まあ、僕の普段着だからソコまでエロくないかも」との前置きありつつ今回披露していただいたのが、このネイビーブレザーのコーディネート。イヤイヤイヤイヤ、十分に色っぽいですから……。
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しかも凄いのが、なにか突飛なアイテムをブチ込んだり、大胆に露出や色使いをしているワケでもなく、シンプルなのに味があって、ソコハカとセクシーというのが実に素晴らしい。
サッと立っただけてこのたたたずまい。実に完成されてます。ネイビーのブレザーはレノマ。シャツもレノマのもの。そしてリーバイス501にレペットのシューズという組み合わせ。いたってシンプル、そしてサイズ感もバッチリです。
▲ サッと立っただけてこのたたたずまい。実に完成されてます。ネイビーのブレザーはレノマ。シャツもレノマのもの。そしてリーバイス501にレペットのシューズという組み合わせ。いたってシンプル、そしてサイズ感もバッチリです。
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長めの着丈がエレガンスを主張する

「まずメインの要素となるのが、この紺色のブレザーです。見たとおりダブルブレストで襟もワイド。だから胸元が自然と男らしく強調されます。そして着丈は長め。この一着はレノマが一世を風靡した1960、70年代を意識した仕立て。昨今は軽快さを重視するため、スポーティな短め丈がジャケットの主流です。しかしこの一着は、ヒップをしっかり隠すクラシックなレギュラー丈。また、ショルダーもパッドを入れ込んだ構築型です。ちょっとフレンチ的な古くさいところが、いま逆に新鮮だと思うのです」(村上)
男は背中で語る。哀愁がもう……ではなく、肩の構築感とウエストがしっかりキュッとしたところがファッション的な見どころです。そして長めの着丈も合わさって、往年の男らしさに通じる渋~い後ろ姿となってます。
▲ 男は背中で語る。哀愁がもう……ではなく、肩の構築感とウエストがしっかりキュッとしたところがファッション的な見どころです。そして長めの着丈も合わさって、往年の男らしさに通じる渋~い後ろ姿となってます。
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モヘア混紡のウール地ゆえのシャッキリ感も特徴のひとつ。張り感を十分に持ちつつしっとり艶を放つところが、エロさを感じさせる部分です。そして何よりシャツが効いています。ガバッと襟と胸元の開いた仕立てにより、シックな紺ブレと絶妙なメリハリを生みだしています。
ジャケットの襟の上に開襟シャツを被せて着られるようになったら一人前。ヒゲや潮風にもまれた肌感も当然コーディネートのひとつ(村上先生はサーファーなのです)。
▲ ジャケットの襟の上に開襟シャツを被せて着られるようになったら一人前。ヒゲや潮風にもまれた肌感も当然コーディネートのひとつ(村上先生はサーファーなのです)。
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大胆に開いた衿がエロな印象を後押し

「昨今は春夏のシャツといえば、Tシャツがメインといった風潮です。それも分かりますが、僕も結構な年齢なので、丸首のシンプルTシャツだけだと少し気恥ずかしい。ドレスシャツでも良いのですが、開放的で無骨な感じもあるオープンカラーの開襟型が、自分好みなんです。この一枚もブレザーと同じくレノマであり、襟のフォルムがひとつの特徴。カーブの具合いと言い長さと言い、ちょっと個性的で色っぽいでしょ(笑)」(村上)

聞けば村上さんの開襟シャツの選びとして多いのは、モヒートとインディビデュアライズドシャツなのだとか。全体的な男クサい雰囲気と第2ボタンの位置がやや下方気味で、胸元の肌感をしっかりアピールできるからとのこと。エロは細部に宿る、ってことなんですね。
開襟シャツ好きな村上さんのオープンコレクション。無地や柄物など、種類はさまざま。ブランドはモヒートとインディビデュアライズドシャツがほとんどとか。ただし白無地は学生っぽくなるので選ばないのだそう。
▲ 開襟シャツ好きな村上さんのオープンコレクション。無地や柄物など、種類はさまざま。ブランドはモヒートとインディビデュアライズドシャツがほとんどとか。ただし白無地は学生っぽくなるので選ばないのだそう。
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「ポイントの2つめはゴテゴテ着飾らないこと。秋冬はいろいろとレイヤードを工夫したりもしますが、春夏はできるだけシンプルに手軽にまとめたい。だからボトムスもデイリーなブルージーンズなどを合わせます。ただし、きっちりジャストサイズがお約束。開襟シャツの装いは素肌感がポイントなので、足元も素足です。だからそのディテールがしっかり演出できるようにレングスもジャスト。ノークッションくらいが色っぽくしかもルーズに見せない加減です」(村上)
古着のリーバイス501は着古され、洗い尽くしてジャストサイズになったものを厳選。この素足が少しだけチラ見えする配分を覚えておきましょう。
▲ 古着のリーバイス501は着古され、洗い尽くしてジャストサイズになったものを厳選。この素足が少しだけチラ見えする配分を覚えておきましょう。
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ムラチュウ先生のブルージーンズは基本的にリーバイスの501です。なのでこれも501であり、古着屋にて吟味に吟味を尽くして選んだマイ・ジャストサイズ。また見逃せないポイントとして、うっすらセンタークリースが入ったような縦ラインがポイントです。
場合によってはジーンズにアイロンも掛けるという村上さん。しかしこのコーデの場合は、「なんとなくクリース」が気分とのこと。このちょい手間が絶妙な味わいであり、そして自然な色気に通じるのです。
▲ 場合によってはジーンズにアイロンも掛けるという村上さん。しかしこのコーデの場合は、「なんとなくクリース」が気分とのこと。このちょい手間が絶妙な味わいであり、そして自然な色気に通じるのです。
コレはジャケットなどに合わせるためジーンズをしまう際、「スラックスだたみ」して収納しているのだそう。ドレスパンツのようにパッキリのラインではないけども、たしかにクリース感がありますね。

これによりジーンズスタイルでもジャケットの気品にマッチするアダルティな雰囲気になっているとのこと。なんとこのさり気ないまでの気遣い。ホント恐れ入りました。
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男クサい装いには華奢なシューズでヌケ感を

フランスのシューズブランドであるレペット。薄いヤギ革製でフィット感も抜群とのこと。ちなみに「ジジ」は内バネ式のプレーントゥ。村上さんはホールカットタイプの「ジャズ」も所有。ゲンスブールを思わせるノンシャランな一足です。
▲ フランスのシューズブランドであるレペット。薄いヤギ革製でフィット感も抜群とのこと。ちなみに「ジジ」は内バネ式のプレーントゥ。村上さんはホールカットタイプの「ジャズ」も所有。ゲンスブールを思わせるノンシャランな一足です。
「足元はレペットで仕上げています。こういった男クサいスタイルに合わせるシューズは、逆に女性的な軽みを持つもののほうが、バランス良くなります。だから極めて華奢なレペットのジジをチョイス。ホワイトレザーかつバレーシューズ譲りの薄底がなんとも小粋でしょ(笑)。無骨な靴だとトゥマッチになってしまうので、ここのバランスは大事。もちろんノーソックスで肌のチラ見せにて軽快かつ粋な感じを意識しています」(村上)

いやー、今回もしっかり堪能させていただいたムラチュウ劇場。紺ブレといったごくごく定番のトラッドアイテムを軸に、ここまで艶っぽく仕上げられるのは本当に練達のワザ。しかもボトムスは古着のジーンズ(501)だし……。そう、エロな着こなしは自分にマッチしたサイズや着方、それにちょっとしたアイデアで作り出せるのです。みなさんもぜひチャレンジして、自分なりのエロな春スタイルでいっちゃってくださいませ!
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村上忠正 スタイリスト

● 村上忠正 / スタイリスト

1969年、東京生まれ。21歳の時、当時スタイリストであった鈴木卓爾氏に師事しその後独立。メンズファッション誌やタレント、広告等でのスタイリングを中心に活動する。特にメンズの成熟したドレスコーディネイトテクニックに定評あり。昨今は谷原章介氏のスタイリングを手掛けるなど、多忙を極めつつもSNSにて自身のコーディネートをアップし好評を博す。

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