With NIKITA

スティルワインにおけるヴィンテージの極みとは

今月の一本シロメィ ル ソヴァージュ シャルドネ 2010

SIRROMET LE SAUVAGE CHARDONNAY2010

2206nikita_01

(750㎖)1万円 問/ワインツリー ☎03-3436-2772

シャンパーニュにおけるヴィンテージの位置づけはご理解されていることと思います。ブドウの成熟具合が素晴らしい年にしか作ることをしないカテゴリー。つまり、ヴィンテージなら当たり年と、安心して楽しめます。

と、ヴィンテージの価値というものが存在するわけですが、一方のスティルワインと言いますと。毎年作ることがごく当たり前に感じていることでしょう。しかしながら、ヴィンテージ差はあれど、ワイナリーが追求する味を求め、生産量で調整するケースもあります。ですが、自分たちが求めている味に着地できるかを見極め、今年は難しいからやめよう、と決断をするワイナリーは本当に稀。個人的にはそのくらいの潔さがあるワインはお値段云々以前にとても興味があります。

今回ご紹介する「シロメィ ル ソヴァージュ シャルドネ 2010」はまさにその位置づけです。テロワールのクオリティの高さに注目されているオーストラリア・クイーンズランド州のワイナリー・シロメィ。こちらのトップ・キュヴェに相当します。南半球系のワインで現行ヴィンテージが2010年というのはとても遅いほう。なぜならば「熟成とポテンシャルを考えたらやっと市場にご紹介できる段階」なのだとか。2010年の次は2013年になります。11.12年は生産されていません。こうなるとますます味わいを確かめたくなってしまいます。

このル・ソヴァージュ・シャルドネは本当に大切に作られたのだと実感しました。果実の力強さ、酸味の穏やかさ、そしてフィニッシュの美しい香り。ポイントは酸味です。熟成からくる柔らかさとミネラル感のバランスが見事。このニュアンスを求めているのであればまだ2010年なのは納得。これなら私はあえて仔牛のグリルをセレクトしたい。新鮮な赤身肉の旨さを引き立ててくれるポテンシャルだと思います。4000本という生産量ゆえ、見つけたら即買いですね。

PROFILE

藤崎聡子●ワインスタイリスト
アジア圏をツアーしていて思うこと。スパイシーフードにはよく冷えたシャンパンや白ワインが本当に合う。今多くのワイナリーが注目しているジャンルの味わいゆえ、6月はそれをじっくり探求してみたい。

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