フォトグラファー仁木岳彦のイタリア日記

さあ、みんなで踊ろうよ!!!フランチェスカマリアの「Dale Dale」

仁木 岳彦
上智大学新聞学科卒。旅の途中、イタリアにただならぬ縁を感じ、2000年からミラノ在住。撮影対象は興味の赴くまま、テーマはむしろ神々しい光の空気感。

僕が写真を志す事を決めてから、、、一から学び直したいと
思い立って、行った先がニューヨーク。もちろん、
写真の学校もたくさんあるんすが、、、、それと同時に
なんたって、街全体から、全身で色々と吸収できそうと
思ったのが、ニューヨークを選んだ理由。


で、そんな流れの一環とも言えるんですが、、、
一時期、ダンススクールにも出入りしていました。
「マジすか?」と思われるかもしれませんが、
ブロードウェイのミュージカルや、
ダンスの公演なんかにも、足繁く通う内に、
ダンススクールも悪くないなと思いはじめ、、、
その頃は人の写真しか撮ってませんでしたので、
ダンサーや俳優達の体の見せ方と言うのを、
自分自身の肉体を通して、たどってみたいとも
思ったわけなのです。

クラシックバレエの基礎クラスでは、レッスン場の
大鏡の前に立った瞬間に、自己嫌悪にひるんだんですが。。。
これでも一応、審美眼はありますのでね、
残酷な現実として。。。しかしまあ、目的がダンサーに
なる事ではありませんので、先生にからかわれながらも、
楽しんだものです。体の見せ方と言う意味では、
すでに理論が出来上がっているわけで、
こんなに早道で覚えられる方法はないっすよね。
大げさなポーズをしなくても綺麗に見える人って
いるじゃないですか? すべては姿勢とか
重心の取り方から来るみたいですね。バレエは
まったく上達しませんでしたが、色々と勉強になりました。


まあ、そんなこんなで、その頃に出会ったのが、
イタリアの高校を卒業したばかりのダンサーの
フランチェスカマリア。

僕がニューヨークからイタリアに移住するかどうか
迷っていたその頃、どういう訳かイタリア系の
友人達に恵まれ、、、みんな、悪魔のささやきの様に
「イタリアは良い所だよー」って、言うんすよね。
ホントに国外に出たイタリア人と言うのは、
国の宣伝マンになってしまうものなのです!!!
(現時点では、例外なし。。。)

もちろん、フランチェスカも「イタリアの海は
最高だよ!」と宣伝をするのですが、、、
「どうしてもダンス界のレベルを考えると、
イタリアには留まれなかった」と訴えておりました。

どうも聞くところによると、オーディションに
行く度に、次から次へ簡単にパスしてる様子。
90年代後半のその頃、最高に勢いのあった
マライヤ・キャリーのワールドツアーの
主要ダンサーとして選ばれたりもしていましたしね。
ただ、それも労働許可証の問題が思う様に
クリアーする事ができず、途中で解雇されたりして、
アメリカのエンターテイメント産業の厳しさに
肩を落としていた時期もありました。

ところで、僕が通っていたブロードウェイ近くの
レッスン場はガラス張りになっている所もあり、
派手なダンスの上級クラスなんかは、
わざと見えるようにしている感じなんすよね。
それで、ミュージカルダンサーや、歌手の
バックダンサーを目指している生徒、または
プロのダンサー達の踊りも、間近で見ることが
できました。ある日、クラスの一番前で踊っている
フランチェスカが、誰の目にも明らかに、
抜きん出てうまくて、心底「こりゃ、本物だ」と
驚いた事がありました。「イタリアには
もういられない」と高校卒業と同時にニューヨークに
来たのも、うなずけました。軽く聞いていた
オーディションの話も、実は真剣な話だった事を
思い知らされたと言うかね。


その頃、僕のスタジオで、オーディション用の
写真を撮った事もありました。20歳に
なるかならないかのフランチェスカは、
実際のところシャイな所があり、最初は撮影も
イマイチはかどらなかったのですが、、、
音楽を試しにかけてみた所、人が変わった様に
エンジンがかかりました。オーラが急に
輝きだして、自信満々で辺りの空気を制するような
感じなんすよ。とにかく、音楽がないと、
ただの普通の女の子なのにね。ビートの強い音楽なら
ノリのある表情とか、R&Bなら大人っぽい表情とか、
表現力にも幅があり「これって、才能だよな」と、
僕にとっても、まったく不思議でエキサイティングな
体験でした。文字通り、音楽がないと生きて
いけない人っているんですね。

僕がミラノに移住した後も、連絡を取り合っていて、、、
フランチェスカは、滞在証の問題をクリアしてから
というもの、ダンサーの仕事に関しては、
とにかく困ってないという様子でした。
ホイットニー•ヒューストン、ジョージ•マイケル、
リッキー•マーティンなどのポップの有名どころや、
Fergie、Jay-Z、LL Cool JなどのR&B、
ヒップホップ系の歌手の為に踊ったり、
MTVやVictoria’s Secretのショーに出演したり、、、
あと、ダンスを教えたり、、、なぜかモロッコ王妃の
ダンスのインストラクターに任命され王室に
招待されたりした事もあったとか。

ただ、10年くらい前にミラノで会った時は、
「ダンサーの仕事って、なんかこう常に脇役なのよね、
わかる??? 理由は、それだけじゃないんだけど、
実は歌手になりたいと思っているの!」と、
ドゥオモ広場を歩きながら宣言していました。
それも、純粋に夢を語る少女みたいな言い方でしたから、
その時も軽く聞き流していたのですが。。。
しかし、これが、まだ真剣だったんすね。

後で聞いた話では、モロッコ王室に招待された時に
時間の余裕があって、自分の情熱が「ダンス、
音楽とビート、歌」と言う方向性に向かっている事に
直観したらしいのです。


数年前に会った時には、「不思議な事に、
ダンスの振り付けよりも、作詞作曲の方が
アイディアが止めどなく湧いてくるのよ」と、
デモテープを聞かせてくれ、、、去年の夏は、
マルケ州のアドリア海沿いの彼女の出身地でライブを
開催して、ダンスミュージックからバラードまで
自曲レパートリーを披露。会う度に歌の世界で
上達してるのが、ひしひしと伝わってくるのですよ。

そして、今年の夏に出した「Dale Dale」は、
ブラジルで撮影されたビデオクリップの発表と
ほぼ同時に 、iTunes Store でも売りだされ、
完成度もかなり上がってきました。
マイケル•ジャクソンなどのダンスの振り付け師としても
知られるブライアン•トーマスがビデオクリップの
ディレクターを担当し、楽曲は各国の
Universal Music系レーベルから配信中。ベースに
なっているのは、Zumba (ズンバ)と言うリズムらしく、
ダンスやフィットネスプログラムの曲に最高だそう。
今段階で既にオーストラリア、スロバキア、
ポーランド、イスラエル、ニューヨークなどの
ジムのフィットネスで使われてる事が確認されているとか。
あと「クラブサウンド特集」などと言った
コンピレーションアルバムなどにも、
この「Dale Dale」が入っている事もある様です。
ところで、ソングタイトルの「Dale Dale」は
スペイン語。 イタリア語に翻訳すると「Dai Dai」、
英語だと「Come on, Let’s go」。日本語にすると、
「ほらほら、君も!」ってなところですかね。
ビデオを見ると「さあ、みんなで踊ろうよ!」なんて
言う雰囲気なんで、ノリでわかると思います!

「Dale Dale」を聞きながら、フランチェスカの情熱は、
ダンスだけに留まらず、音楽のバイブレーションと、
彼女自身の魂のシンクロにあるのだなあと
つくづく思いました。撮影した時に見せた才能も、
まさに、そこにありましたからね。

彼女の魅力は、「キャー、超クールで、
格好良い!!!」ってな気持ちが、馬鹿にみたいに
ひたむきな所と、自分の夢で精一杯で、引いた目で
人の事を値踏みする様な暇がなさそうな所ですかね。

「確かに一時期は労働許可書やビサの問題なんかでも、
苦労もしたけど、腕まくりして頑張れば、
絶対になんとかなる!問題ばかりにフォーカスしていたら、
全然、前に進めない。だから、Dale Daleには
『さあ、元気出して Let’s Go』って言うメッセージも
込めているの」との事。現在進行形で発展中の
フランチェスカマリア、まだまだ荒削りかもしれませんが、
これからも注目していくつもりです!


You Tube内で「Francesca Maria, Dale Dale」 で
検索してもらえば、すぐにビデオクリップなどに行き着くはずです。

オフィシャルビデオクリップのタイトル Francesca Maria feat
Jayko,Cisa&Drooid – DALE DALE (OFFICIAL VIDEO)

ズンバフィットネスでも使えそうな、振り付けの
説明ビデオのタイトル Dale Dale Official Choreography
w. Francesca Maria and Irena Meletiou

iTunes Store は日本版でも購入可能で、
エレクトリックっぽいバージョンから、ラテン系まで、
リミックスバージョンが9パターンぐらい出てきます。
是非、パンチ力のあるバイブレーションが必要な時に!!!

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