フォトグラファー仁木岳彦のイタリア日記

山越えて、、、ジュネーブのモーターショー

仁木 岳彦
上智大学新聞学科卒。旅の途中、イタリアにただならぬ縁を感じ、2000年からミラノ在住。撮影対象は興味の赴くまま、テーマはむしろ神々しい光の空気感。

この春先の事ですが、アルプスの山越えて、
ジュネーブのモーターショーに行ってきました。

世界五大モーターショーとは、ジュネーブ、東京、
フランクフルト、デトロイト、パリで行われるのだそうです。。。
その中でもジュネーブのそれは、スイス国内に自動車産業が
ないだけに、世界の自動車産業全体を、公正かつ客観的に眺める事が
できるという理由で、とても権威があるのだとか。。。
さすが永世中立国っすよね。こんな場面でも、立ち位置を
最大限活かしているとはね。

例えば、フランクフルトのモーターショーでは、ドイツ国内の
メーカーがド派手にブースを構えているらしく、それに圧倒されて、
他のメーカーの存在感がイマイチで、ジャーナリストやファンも
落ち着いて全体を見渡す事ができないらしい。同じような
偏りが他の街のモーターショーでも見られるとの事。

ジャーナリストのための特別公開日が二日間あったのですが、
各メーカーのプレスカンファレンスが一日目の早い時間に極端に
固まっているんですね。しかも15分おきに。。。
「なっなんで???」と思いましたが、それもそのはず。。。
新車種の発表を早くしないと、誰もモーターショー会場で
新車種が見られないですからね。なるほどなるほど。
ファッションショーなんかとは違った段取り。

プレスカンファレンスでは、どこのメーカーも判を押したように
同じ事を言っていました。「我々は成長し続けている。
技術とデザインの革新も忘れない。しかも、、、環境問題を
視野に入れた、持続性のある方法で!!!!」なんといっても、
「持続性のある方法で」の所を、ことさら強調していました。
あと、株主へのアピールなんでしょうが、「成長し続けている事」も
重要なメッセージなんだなあと感心しました。
まあ、しかし、環境に優しい方法で、世界中のクルマ産業が
成長し続ける事って、かなりのチャレンジっすよね???
それを説得力ある言い方で言わなければならないのが社長のつとめ。。。。
ルノー社長のゴーンさんを見かけましたが、さすがに、
ある種のオーラが出てましたね。

燃料1リットルで100kmも走るフォルクスワーゲンの
弾丸ロケット型のクルマも発表されていました。
弾丸ロケットの様に後ろの方が狭まっているんですよね。
クルマの事を知らない人のために、、、この100kmってのが
いかに凄いかって言うと、まあひと昔前までは、
1リットルで10km行かないクルマが普通だったはずなんでね。
プリウスが30km越えたって大騒ぎなわけで。。。
この100kmってのは、確かに半端ない。

それとは対象的に、格別の色気を放っていたのが、
さすがのランボルギーニでした!!! 「環境問題なんて、
考えてたらスポーツカーなんて作れないだろ!」と言わんばかりの
正直なアプローチが憎いですね。持続性のあるエコロジー
フレンドリーな方法を取り入れるつもりはないそうです。
フェラーリもハイブリッドカーを出すご時世に、この割り切りは
立派なモノ。そんな哲学は、デザインなんかにも
現れているんじゃないかな?あくまで、元来のスポーツカーならではの
アグレッシブな色気を放っておりました。2.8秒で時速100kmまで
加速できる「ランボルギーニ•ヴェネーノ」が展示されていました。

考えてみれば、僕のイタリアとの最初の出会い、いや外国との
最初の出会いは、スーパーカーブームの「ランボルギーニ・
カウンタック」だったんすよね。「海の向こうには何か特別なモノが
あるに違いない」って想いの原体験。いやあ、、、
健在で嬉しい限りです。まあ、でもそんな速いクルマが欲しいとは
思わないし、実際速すぎて危ないですしね。でも、こう見れるだけでも、
なんかワクワクします。まあ買う人だって圧倒的に
少ないわけですから、環境問題なんて考えなくても良いじゃないっすか???

そして、伝説のイタリアの工業デザイナー、ジュウジアローの
ブースには、群を抜いて色気のあるキャンペーンガールが
いてビックリしました。ポーズの決め方からして、経験豊富な
ファッションモデル。スタッフの説明を受けて、
彼女が普通のキャンペーンガールの域を越えている理由も、
なんとなくわかりました。ジュウジアローのデザイン事務所として、
デザインとコンセプトを発表している訳で、そのプロトタイプは、
クルマとしての機能は、まったく無いのです。
このコンセプトを買う自動車メーカーを探しているのかな???
いずれにしても、この段階では、デザイン事務所の
「美の追求」がメインテーマなんすよ。。。そうくりゃ、
モデルも美しくなければならないはず。モデルに聞いてみると、
やはりミラノのエージェンシーに所属するファッションモデルでした。

注意して見てみると、キャンペーンガールにもお国柄がでていて
興味深かったです。やはりイタリアのメーカーは、スカートの
丈が短かったり、胸元の露出度がひたすら高い色気のある
キャンペーンガールが。。。アメリカは派手目な美人、フランスの
メーカーは普通に地元スイスのキュートな綺麗どころ。
日本のメーカーは制服を着た真面目で清楚な感じでした。。。で、
ドイツのメーカーはと言うと、、、ざっと軽く見た限り、
なっなんと、キャンペーンガールがいないんっすよ。
あれ、いたのかな? 俺が気がつかなかっただけ???
クルマの説明をするために何カ国語も話せる利発な女性達は
ブース内をウロウロしているのは見かけましたが、、、
決してクルマの隣に立ってポーズをとるのが仕事の
キャンペーンガールではないのです! ドイツ人は、
自分たちのクラフトマンシップに自信があるんですね。
キャンペーンガールなんて必要ないんでしょう。なるほど。。。

全体的には「SUV」、または「クロスオーバー」と呼ばれる、
ジープと乗用車の良い所を取ったような全天候型の
クルマがトレンドのようでした。ところで、ジュージアロー事務所が
提案していたクルマのコンセプトは、もう一歩未来を見据えて、
その「クロスオーバー」のトレンドに、スポーツカーの
要素を加えたものでした。タイヤも太そうですし、
これなら舗装道路以外もガンガン行けそうですね。。。

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