LEON編集部の海外リポート201X

欧州ファッション・リポート
Milano編

欧州ファッション・リポート Milano編

LEON編集部の海外リポート201X

欧州ファッション・リポート Milano編

milano

2016年1月から2月にかけてイギリス、ミラノ、パリなどヨーロッパ各地で開催されたファッションショーについて、LEON編集部取材班が見て気になったブランド&アイテム、その着こなしについて考察します。

2016年1月16日〜19日
ミラノコレクション Fashion Weeks Milano
文/前田陽一郎(本誌)

ミラノでショーを行っているモードブランドに限らず、今、ヨーロッパのファッションブランドは急激に変化する時代の流れに対応すべく、次世代を見越したリ・ブランディングの真っ最中にあるというのが、僕の俯瞰した見解です。

かつてミラノコレクションはパリのそれに比べて「コマーシャル的すぎる」とも言われたものですが、ここ数年のミラノコレクションは、ランウエイのスタイリング(ショーピース)がそのまま“売り”につながっていくというよりも、ショーを通じて各ブランドの時代観を標榜しているという印象ですね。

だから、楽しいんですね、なんというか、その、ブランドからのメッセージの読み解き方というのが。

例えばグッチ。一見センセーショナルな印象を受けますが、この60〜70年代をイメージさせるジェンダーレスなスタイルは、音楽と平和と自由を全世界が求めた時代のそれともシンクロしつつ、どこかデカダンスを感じさせるところも今っぽいな、と僕は感じました。
gucci001
gucci002

他にもプラダがショーを行ったのはかつて宗教裁判が行われた場所。そこでショーを展開するということは、世界のファッションジャーナリストを裁判官、もしくは陪審員と見立て、ファッションそのものを考え直そうというメッセージが読み取れます。
prada

モンクレール・ガムブルーはさらに難解。テーマそのものは“都会(まち)に溶け込む”ためのカモフラージュなのですが、ショーの演出をどう解釈するかは、さて。。。
monc

一方、そもそものブランドイメージやアイデンティティをさらに強くしようと動くブランドも。ドルチェ&ガッバーナはここ数年、シチリアをテーマに置いていますが、今回はシチリアの男性の強さを強烈にアピール。ジェンダーレスがモード界のトレンドと言われる中、むしろ「男性は男性らしくあるべし」というメッセージとも見えますね。
DG01
DG02

エルメネジルド・ゼニアはデザインそのものよりも、自らのアイデンティティである、生地作りとテーラリングのあらゆる可能性を探ったかのようなコレクション。これもある意味ではブランドイメージの強化とも言えるんじゃないでしょうか。
zenga01
zegna02

特筆すべきはジョルジオ・アルマーニとボッテガ・ヴェネタ。前者はあらためてイタリアンスタイルとファッションの基本である「ネイビー」に着目し、あらゆる素材に濃淡織り交ぜたネイビーを使ってその可能性を表現。一見カラーパレットはミニマルに見えますが、実は奥の深いショーだったんじゃないかな、と。
Armani001
Armani002

今回、僕が一番気になったボッテガ・ヴェネタは、ファーストルックがなんと、とてもシンプルなスーツスタイル。とはいえ、その素材はとても柔らかそうで、とってもエレガント。他のルックもおしなべてデザイン、色使いともにとても抑制されたコレクションでした。聞けば「今、魅力的な男性には過度なデザインは必要ない」という考えのもと、素材と微妙なカラーリングに注力したコレクションだったそうで。
Men's-FW1617_look01-High

こうしてひとつひとつのコレクションを読み解いていくと、流行りそうなアイテムや着こなし方をただ探すだけじゃない、ショーの面白さが見えてきませんか?ブランドとは付加価値とイコール。とすれば、そのブランドが何を見ているかをショーから読み解き、そこにブランドの価値を見出すのも、オトナのブランド考だと思うのですが。

次回はパリ・ファッションウィークです。

Related