レトロなのに新鮮！ いまに蘇った「復刻時計」

ロングセラーのアイコンに続くテーマは“リバイバル”です。一見似ていますが大きな違いがあります。それは、歴史学のような発見する楽しみと新たな解釈を加える面白さ。

温故知新とはいいますが、その時代のエポックメイキングに触れ、新たな息吹を注ぐ。それは紛れもなく現代のマイルストーンとなり、未来へと導いてくれるのです。

エポックメイキングや知られざる名作にスポットを当てた復刻モデルは、マニアならずとも新鮮な魅力を感じさせ、そのリバイバルスタイルはすっかり定着しました。

とはいえ、オリジナルを忠実再現するだけではつまらない。ヴィンテージの古着も価値は理解しても、実際に袖を通すとどこか野暮ったく感じてしまうもの。これが“いまを生きる”ということであり、時の針は常に進んでいるのです。

だからこそオリジナルの魅力を吟味し、最新技術や時代の感性を吹き込むことが欠かせません。そうして初めて復刻といえるのです。同時代に登場したそんな一本を自らヴィンテージに育てていく楽しみも見逃せません。ともに過ごし、時を重ねてこそオリジナルにも負けない本物になり、むしろそれ以上にカッコいいのです。

1980年代に本格機械式として魅了し、その名はマラケシュ太守（パシャ）の愛用にちなんで名付けられました。風防を保護するグリッドは1943年の防水時計をモチーフにし、最新作ではこれを復活するとともに、工具不要の脱着式にすることで2ウェイの仕様が楽しめます。

ジュネーブウォッチ最古の歴史を誇る創業222周年を飾る“222”は、オーヴァーシーズの原点にもなった名作モデルです。今年の新作である復刻作は、一体型ブレスレットやノッチ入りベゼルを備え、見た目を忠実に再現しつつ、高精度の最新ムーブメントやブレスレットの装着感も向上。

ムーンウォッチとしても名高いですが、初代はモータースポーツ用に開発されました。視認性を追求しタキメーターをベゼルに刻んだ初のクロノグラフであり、特徴であるシルバーベゼルやアロー針を再現。さらに時分の積算針を同軸に収めた先進の2カウンターにもかかわらず、伝統の手巻きにこだわります。