2019.11.21

必ず彼女が満足する鉄板の遠出旅。その行先は?

旅に求めるのが非日常の癒しであるなら、その行先には少しばかりのチャレンジがあっていい。特にそれが彼女との旅ならば、ぜひオススメしたいのが伊勢志摩。わざわざ遠出してまで訪れる価値がある理由、それは英虞湾を望む名宿「汀渚 ばさら邸」に泊まっていただければわかります。

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文/森本 泉(LEON.JP)

ふたり旅を成功させるには、まず女子の満足度が高い場所であること

我々関東のオヤジにとって伊勢志摩は決して近しい土地というわけではないでしょう。名古屋まで「のぞみ」で1時間半。さらに近鉄特急に乗り換えて2時間、そこまでしてなぜ彼女と伊勢志摩へ? とお思いの方もいるでしょうが、それは女性心理への理解が足りないというものです。

よろしいですか、世の女性はみんな伊勢志摩が大好き。何しろ日本一のパワースポットにして女子旅人気ランキングでも常に上位の伊勢神宮が目と鼻の先。しかもこのあたりは元々が関西政財界人たちの愛した由緒ある保養地で、今も老舗ホテルや高級旅館が居並ぶ元祖セレブリゾート。
さらに複雑なリアス式海岸が生み出す印象的な景観は、ときにこの世のものと思われないぐらいに魅力的だし、海の幸も山の幸も、とにかく食べるものすべてが格別に美味しい。加えて美容によく効く温泉まであるのですから女性は皆、喜ぶ。彼女たちにとって伊勢志摩は常に特別な場所。まさにモテるデスティネーションなのです。それ以上、どんな理由が必要でしょう。

というわけで、はるばる伊勢志摩へと偵察にやってきた今回の旅。訪れたのは近鉄志摩線の終点、賢島(かしこじま)駅からクルマで5分ほど。英虞(あご)湾の一番奥まった高台に、海を見下ろすように佇む日本旅館「汀渚 ばさら邸」です。
▲ロビーのテラスに出ると客室の向こうに英虞湾の景色が広がります。
「ばさら」は漢字で書けば「婆娑羅」。室町時代の流行語で、時の権威をあざ笑うかのように派手な振る舞いや粋で華美な服装を好んだ美意識のこと。ま、室町のちょい不良(ワル)と言えなくもない「ばさら」ですが、お客様にそんな奔放で自由気ままな時間を過ごしてほしいと、この名が付いたそう。

4000坪の広大な土地には本館15室と別邸「海里のはなれ」3室の計18室のみ。すべての客室に露天風呂が備えられている大人の隠れ家は、2007年にオープンして以来、アップデイトを重ね、平日でもリピーターを中心に多くの客が訪れる屈指の人気宿なのです。
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これ見よがしの豪奢ではなく、肩の力の抜けたセンスの良さが女子ウケ

まずは賢島駅でのお出迎えにニンマリ。なんとクルマがトヨタのセンチュリー。先日の天皇皇后両陛下の即位祝賀パレードでも使われた日本一の高級車ですよ。さすがにオープンカーではないですが、それでもなかなか乗る機会のないクルマだけにオヤジは気分がアガリます。

そして程なく宿に到着。一歩館内に足を踏み入れると……おお、いい感じです。決してこれ見よがしの豪奢ではなく、木のぬくもりが漂う落ち着いた空間にセンスの良い家具や調度品を配した和モダンの演出。これ、女性が好きなヤツです(笑)。
色や形を変えた何組ものソファが置かれたロビーは、まるで知り合いの別荘に来たような寛げる空間。テラスからは鏡のように静かな英虞湾と、その向こうには水墨画を思わせる美しい山並みが望めます。自分の別荘を作ったら、こんな感じがいいよねという見本のような和みスペースなのです。
そして館内のそこかしこに飾ってある写真がまたいい。中野晴生さんという地元出身写真家の作品で、神宮をさまざまな表情で捉えるだけでなく伊勢志摩の海や森など豊かな自然もドラマティックに切り取っていて、思わず1枚1枚立ち止まって見入ってしまいます。
今回、泊まったのは「灯の棟」という部屋。梁を活かした高天井の約50㎡の室内は、ツインタイプのベッドを置いた琉球畳敷きの寝室と、木目の美しい木床のリビングで構成されています。こちらも木が自然の表情のままふんだんに使われ、心落ち着く癒しの空間を構成。英虞湾を望む西向きの窓際には大きなソファが置かれ、思わずゴロリとしたくなります。室内の露天風呂には無双窓が付いていて、ここからも英虞湾を眺めることができます。
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伊勢志摩の魅力をまるごと味わえる風呂と食事

まずは食事の前に貸切風呂へ。この旅館には客室の露天風呂に加えて、それぞれにテーマの異なる3つの貸切露天風呂があるのです。入ったのは「くゆりのびり」という風呂。和の美意識をコンセプトに、「静けさ」や「厳かさ」のイメージを具現化したというこちら、庭園を眺めながら、のんびりとリラックスしたバスタイムが過ごせます。
▲「くゆりのびり」の泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物冷鉱泉で肌に優しく保温・保湿効果が抜群で美容好きの彼女も大満足。それにしても、このムーディーなライティング(笑)。
さて、風呂から上がると夕食の時間です。食事は本館1階にあるダイニング「さかなへん」で。7月に改装したばかりのこちらはすべてが個室。なので、他のお客さんと顔を合わせることもなく、ふたりだけの至福の食事時間を楽しめる。そんなプライバシーへの配慮もポイント高しです。
▲「さかなへん」はすべて個室で構成された食事処。硝子戸の向こうは中庭で日本庭園が広がる。
伊勢志摩はかつて「御食つ国(みけつくに)」と呼ばれ、豊かな海と山の幸を朝廷や伊勢神宮に献上してきた土地。その伝統を継いだ食文化は今も健在です。伊勢海老や鮑、松坂牛、熊野地鶏、志摩野菜など美味しいものには事欠きません。

本日のコースは先付に始まり、伊勢志摩の恵みを盛り合わせる前菜、椀物、造里、焼物、食事、香物、デザートと続く会席スタイルの創作膳です。
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素材の質が良いだけに、それらをできるだけシンプルに調理し食べさせるのがこちらの流儀。野菜は味が濃く力強い生命力を感じさせます。そして刺身も絶品。鮑は驚くほど柔らかく、それでいてしっかりした味わい。料理一皿の分量が多いわけではないけれど、品数が豊富なので、大のオヤジでも十分にお腹が一杯になります。

お酒も地元の銘柄を中心に日本酒やワインなど種類が豊富で、しかも少量ずつ多種をいただける飲み比べもできるなど、飽きずに楽しめます。
▲宿泊客専用ラウンジ「時の家 aoi」。灯りを落としたリラクゼーションスペースでゆっくり過ごしたい。
そしてもうひとつ、特筆すべきは食事の世話をしてくれる従業員の方々のとても気持ち良いサービス。控えめながら、笑顔を絶やさず、尋ねると料理も一生懸命説明してくれます。なんかほっこりする幸せ感溢れる食事ができるのです。

夕餉が終わってまだ少し飲み足りないなぁと思ったら、ラウンジがオススメ。「時の家 aoi」と名付けられたこちらは、中央にシンボリックな柱がそびえ、八角形に広がる不思議な空間。ライブラリーには地元に関する本や映画のDVDを揃える他、日本酒やワイン、ジンなどのお酒はもちろん、ちょっとしたつまみまで用意したフードコーナーがあって、宿泊客は自由に楽しむことができます。
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英虞湾クルーズにヘリ周遊、伊勢神宮の別宮へも足を伸ばして

伊勢志摩を訪れる楽しみは旅館の中だけではありません。こちらの宿にはコンシェルジュがいて、色々遊びの相談にも乗ってくれるのです。一度は経験したい英虞湾クルーズの他にも、近くのヘリポートからヘリコプターで英虞湾上空を周遊するなんてアトラクションもあります。

そして今回は、せっかく伊勢神宮のおひざ元に来たということで、普段はなかなか訪れるチャンスのない神宮御正宮の「わけみや」である別宮(べつぐう)にクルマで連れて行ってもらいました。まずは御正宮から最も離れた別宮で、昔から「大神の遙宮(とおのみや)」と云われる「瀧原宮(たきはらのみや)」へ。
清流が脇を流れる鬱蒼とした杉並木を15分ほど歩いた奥にひっそりと佇む静謐なお社は、観光客もほとんどおらず、なんとも神秘的な空間。ここが特別な場所であることを感じずにはいられません。そして次に向かったのが「伊雑宮(いざわのみや)」。こちらは田んぼと住宅が散在する中に突然現れる不思議な場所。漁師や海女さんたちからの信仰が厚く、海の守り神として慕われてきたそうです。
と、他ではなかなかできない様々な体験がここでは楽しめる。だから思い出に残る旅になる。今回はご紹介できませんでしたが館内には極上の癒しを得られるSPA「アランヤ」もあるし、晴れた夜には満点の星空が本当に素晴らしいという情報も。そして別荘のような居心地の良さと美味しい食事も揃っているとなれば何度でも訪れたくなる。こんな宿を知ってサラリと使いこなすオヤジさんがモテないわけはありません。どうかお見知りおき下さいませ。

■ 汀渚 ばさら邸

住所/三重県志摩市阿児町鵜方3618-74
アクセス/伊勢自動車道伊勢西ICより約35分
URL/https://www.basaratei.com/
予約・お問合せ/0599-46-1189

※ 料金/3万4000円~(2名1泊2食付き・1名分/税別・サ込)

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