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2018.03.27

極甘師匠・友吉鶴心のあんこLOVE【1】「原宿・瑞穂の大福は日本一」

甘党男子を代表する友吉鶴心さん(琵琶奏者)の極甘なセトリを公開する第1回目は、庶民的な豆大福。毎日数時間で売り切れてしまう、「瑞穂」(東京・原宿)のおいしさの秘密に迫ります。

CREDIT :

文/秋山 都 写真/菅野祐二、松井康一郎(友吉さん)

極甘師匠、友吉鶴心さんとは誰か。

さあ、銀座の街角をドーメルの生地で仕立てた着物で闊歩するナイスミドルなオトコ、こちらが今回の主人公、友吉鶴心(ともよしかくしん)さんです。
浅草生まれ・育ちで生粋の東京人である友吉師匠は、薩摩琵琶を演奏する琵琶奏者でありながら、NHKの大河ドラマなどで芸能考証を担当、自ら作曲も務めるなど、言わば伝統芸能畑のお方。ですが、今回はそのご本業ではなく、彼の秘められたスキルにフォーカスしてまいります。

そのスキルとは……なにを隠そう、「オレってすっげえ甘いものが好きなの」。演奏旅行の傍ら、日本各地でおいしいものを探し歩くという友吉師匠は、「あそこのアレがおいしい」というグルメネタについてはかなり造詣が深く、なかでも甘いものについては人後に落ちない精通ぶり。あんこについて語らせたら、およそ一晩では足りますまい。

そんな彼の言わば甘~い「グルメなセトリ」をご紹介していまいりますが、まずは「豆大福」。庶民的なお菓子ですが、ここに日本の餅菓子の真髄が隠されているのです。
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◆ 瑞穂(東京・原宿) 

「この豆大福にカトリーヌ・ドヌーヴも惚れ込んだ」

瑞穂(東京・原宿) / 開店は朝9時ですが、8時30分くらいからのれんが掛けられ、名物豆大福を求める人が引きもきらずやってきます。
開店は朝9時ですが、8時30分くらいからのれんが掛けられ、名物豆大福を求める人が引きもきらずやってきます。
「瑞穂の豆大福は無二のおいしさ」という友吉師匠のおすすめもあり、やってまいりました。しかし、春まだ浅き季節の朝8時30分……少々眠いなと目をこすりながらトビラをガラガラ引きますと
絶賛、豆大福の製作中でした。作業場はおもちがつきあがる湯気とよい香りが立ち込めています。聞けばご主人の大橋正文さんは毎朝4時半起きでその日に使うおもちをつくのだとか。大橋さんは、やはり豆大福で知られる「岡埜栄泉」での修業を経て、1981年に原宿で創業。以来36年に渡って1日も欠かさずこの作業を繰り返してきました。

「単純なものほど奥が深くて難しい。(和菓子づくりは)大福に始まって大福に終わるんだよ」。大橋さんの含蓄深い言葉が心に沁みます。開業当初は桜もちや水ようかん、どら焼きなどほかのお菓子も作っていましたが、いつしか品書きは豆大福と最中のふたつだけに絞られていました。
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さあ、いよいよあんこを包んでいきます。前日に炊き上げたあんこはもちろん自家製で北海道産の小豆を使用。サラリとした舌触りで、豆の風味と砂糖の甘みはほどよく感じられるものの、口溶けよく、後に残らないのが特徴です。やわらかなおもちとなじんで、ひと口、もうひと口と食べたくなる美味しさ。

友吉師匠いわく「あんこはミクロンの粒子が勝負!」だそうで、「あん粒子を作るためには、細胞を破壊することなく、小豆の組織内であん粒子を形成させることが必要となるんです。小豆では75~150ですが100ミクロンあたりが美味しく感じるエリア。大納言では約120ミクロンくらいかな」だそうですが、ちょっと専門的すぎるため割愛(笑)。
瑞穂(東京・原宿) / できました! 「瑞穂」の豆大福ひとつ238円(税込)。
できました! 「瑞穂」の豆大福ひとつ238円(税込)。
この豆大福を求めるため、数々の有名人も訪れますが、ご主人の記憶に残っているのはカトリーヌ・ドヌーヴ。「バットマンの乗るようなクルマに乗ってやってきた」そうで、この豆大福が大のお気に入りとなったドヌーヴさまは製法や保存法について根堀り葉掘り尋ねていったそうです。
ただ、この豆大福は買ったその日が賞味期限。食べ切れるだけ、買いましょう。
瑞穂(東京・原宿) / 瑞穂最中ひとつ151円(税込)。
瑞穂最中ひとつ151円(税込)。
そして、友吉師匠のもうひとつのイチ押しがこの最中。「あんこがキパッと角が立っているのがよいあんこ」の証なんだそうです。うん、たしかに美味。
瑞穂(東京・原宿) / 豆大福と最中、お赤飯(要事前予約)しかない、潔い「瑞穂」。
豆大福と最中、お赤飯(要事前予約)しかない、潔い「瑞穂」。
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◆ 瑞穂

住所/東京都渋谷区神宮前6-8-7
お問い合わせ/☎03-3400-5483
営業時間/9:00~売り切れ仕舞い
定休日/日曜・祝日

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友吉師匠の「大福」&「最中」セトリ

友吉師匠の甘~いセトリ、まだまだありますので簡単にご紹介しておきます。

【大福】

松島屋(東京都港区高輪1-5-25)
「甘党だった昭和天皇も好んだという豆大福はクラシックなおいしさ」

◆ 八丁堀 伊勢屋(東京都中央区八丁堀3-18-11)
「潟産黄金餅、小豆は北海道富良野産小豆を使用した粒あん。王道です」

【最中】

虎屋(東京都中央区銀座7-8-6)
「有名店では日持ちさせても変わらぬ味と香りはこちらが随一。お持たせに」

亀十(東京都台東区雷門2-18-11)
「種(皮)が最高。米を焼いた風味と風情を楽しめる逸品」
そう、最中の皮ってもち米で出来ているんです。

種亀(東京都台東区駒形1-7-7)
「嘉永三年(1850)創業の老舗。最中種(最中の皮)専門店で、米洗いから焼きまですべて手作業で丁寧に仕上げています。有名店にも種を卸していますが、それぞれの店の注目にあわせて焼き上げる技術も素晴らしい」
最近はネットで小売の通販も始めています。
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● 友吉鶴心(ともよしかくしん)/ 薩摩琵琶奏者

1965年、東京・浅草生まれ。飲食店を営む両親のもと、おいしいものばかり食べて育つ。日本大学芸術学部で日本中世の芸能を学びながら、山口速水・友吉鶴心両祖父の偉業である薩摩琵琶の発展を志し、鶴田錦史に師事。「聖飢魔II」とのジョイント活動や、ファッションイベントなどでも多数演奏。台東区アートアドバイザー。
http://www.biwagaku.com/

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