伝説の上海料理 故・王氏の名店

壁に貼ってあるのは、故・王氏の料理写真
コーヒーとたばこ、そして花を欠かさなかったという王氏。1999年に出版された「食在喜福」という料理本からの1枚は、王氏の肖像画のよう。お酒は王氏の次女がセレクトする日本酒をぜひ!
今から15年ほど前、初めて「シェフス」に伺った時、台湾の上流階級の友人宅でいただいた家庭料理にとてもよく似ていたことを鮮明に覚えています。

聞けば「シェフス」の故・王惠仁氏は、上海フランス租界の一流コックが常駐する裕福な家庭で生まれ、カリフォルニアの大学で心理学を学んだのち、東京の中国大使館に勤務。しかしおいしいもの好きが高じて、自らお店をオープンしたそうです。
厳選された食材とその味を究極に引き立てる調理
右から「上海蟹みそ担々麺」は、なんと蟹7、8匹分のみそを使ったかなり贅沢な担々麺。シェフスといえばだれもがオーダーする「車海老香り蒸し」。中のみそをすすったら、残ったスープにご飯を入れておじや風に。言わずと知れた「上海蟹蒸し」はオスメスともにいただきましょう。
知る人ぞ知る名店になったのは当然のことですが、王氏亡き今も、その美学ともいえる調理法は、一から十まで叩き込まれたという奥様ののりこさんと、「シェフス」のスタッフに確実に受け継がれています。この華やかな経歴を知ってから「シェフス」に行くと、華美ではない店内に驚かれるかも。

ここはヌーベルシノワでもなく、満漢全席の中華料理店でもない、究極の上海家庭料理店。コックコートではなく上質なカシミアニットを着て、素材の味をシンプルに引き立てるために丁寧に料理をしていたという伝説の料理人、故・王惠仁氏の料理遺産店なのです。

淑女のトキメキポイント

シェフスという店名の語源は“食福作”、“食で福を作る”という造語。そして今や幻の料理本「食在喜福」の“喜福”は、“幸せをつくる”という意味で、王氏の願いが込められた珠玉の本です。

毎日プレスするテーブルクロス

素材を丁寧に調理することも、クロスにアイロンを毎日かけることも、お客様に幸せを感じてほしいから。
シェフス
東京都新宿区新宿1-24-1 藤和ハイタウン1F
03-3352-9350
営業/18:00〜22:00 日祝休

●上海蟹蒸し6,500円(1匹)、車海老香り蒸し4,200円、日本酒(渡舟)グラス800円
※上海蟹メニューは12月末まで
※サービス料10%

東京都新宿区新宿1-24-1 藤和ハイタウン1F

写真/棚井文雄
2016年1月号より抜粋

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