「アルマーニ / リストランテ」で旬の美味コースを堪能！

「LEON」読者のみなさまにはお馴染み、イタリアンの名店「アルマーニ / リストランテ」。パンデミックもあり、しばらくご無沙汰していたら、2年前にシェフが交代していた模様。新エグゼクティブ・シェフであるカルミネ・アマランテ氏はまだ32歳の若さですが、ここ2年でイタリアの「ガンベロロッソ」*3フォーク獲得、世界でたった1名のシェフに送られる「シェフ・オブ・ザ・イヤー」受賞、「50 TOP ITALY」へのノミネートなど数々のめざましい功績で、「アルマーニ / リストランテ」を進化させ続けています。

現在、そのカルミネシェフによる「冬のコース」がスタートしていると聞き、ひと足お先にいただいてきました。全７皿のコース「TRADIZIONE 」（ランチ・ディナー共通1万5000円）はプレゼンテーションも美しく、口にすれば「ハッ」と目を見開くような意外な美味しさに満ちたものばかり。すごいな、「アルマーニ/リストランテ」。これは季節ごとにチェックしたくなります！

ランチ、ディナーの共通コース「Tradizione」の前菜として登場するのは「車海老 昆布 カリフラワー キャビア」。昆布で巻いた車エビを蒸し焼きにし、その後にオリーブオイルを塗布するという、和とイタリアの見事な融合が楽しめるひと皿でした。車海老の上にはスライスした2色のカリフラワーとクリスタルキャビアをトッピング。車海老の下にはカリフラワーのピューレが隠れています。彩りも美しく、気分も華やぎます。

続いて、コロンとしたかわいらしいフォルムのこちらがパスタ。カルミネシェフの故郷であるナポリの郷土料理をアルマーニスタイルで作り上げた「パスタ エ パターテ」です。塩焼きにしたジャガイモに野菜のコンフィを加えたものを、ボタンという意味の名前をもつパスタ「ボットーネ」に詰めています。パスタの上にはパルミジャーノのスプーマとグアンチャーレ、トリュフスライスをトッピング……って書いているそばからまた食べたくなっちゃう。

続いてメインディッシュのひと皿めは寒平目と呼ばれ、身が厚く、脂がのって美味しくなる旬の平目。淡いトーンのグラデーションが優雅な印象のひと皿です。ロールした平目のフィレは鉄板で焼き色をつけた後にグリルすることで香ばしさをプラス。その下には燻製キャベツのピューレ。アサリでとった出汁、生姜、昆布、ポロネギで作られたソースは濃厚なうまみを堪能できると同時に、最後にレモンジュースを加えられているので、どこかさわやかな風味も。

さあ、やっぱりお肉もガツンと行きたい。国産牛のほほ肉をマスタード、黒コショウ、ナツメグ、シナモンでマリネした後にオーブンで焼き、その後、フォンドボーで丁寧に煮込む、冬らしいご馳走です。牛ほほ肉の下に敷かれたベビースピナッチの下には、パセリ、アンチョビ、ケッパー、オリーブオイルから作られるサルサヴェルデ。また、ポレンタのエスプーマと牛ほほ肉の間にフライしたもち麦が隠されており、クリスピーな食感が楽しかった。

「わあ、かわいい！」と思わず声の出たデザート。下にクリームチーズと金柑のクリーム、その上にはアニス風味のパンナコッタ、さらにクローブ、ブラックペッパー、アニス、オレンジで香りをつけた赤ワインのゼリー。トップには苺のグラニテと苺のクロッカン。真ん中の真っ赤な球体のなかには苺のソースを絡めながら「いただきま～す！」。異なる温度と食感で、苺のさまざまな表情を楽しめるデザートでした。

こちらは「ティラミス」ではなくて、「ティ・ラ・ミ・ス」。美しくはっきりと分かれた断面の層が「ティ・ラ・ミ・ス」と一音一音はっきり発音したくなる、というシェフのユニークな感性から、独特なネーミングが誕生したんだそう。下から順に、しっとりとしたチョコレートの生地、コーヒーの風味をまとう牛乳のジェラート、Bean To Barチョコレートを使用したチョコレートプレート、チョコレートクリーム、コーヒー風味の薄焼きクッキー、マスカルポーネとホワイトチョコレートのクリーム、コーヒーのクロッカンのレイヤード。ひとつずつ味わって美味しく、重ねて食べてなお美味しい、極上の「ティ・ラ・ミ・ス」でした。

「TRADIZIONE」（ランチ・ディナー共通コース）1万5000円（税別）
・アミューズ　
・車海老 昆布 カリフラワー キャビア
・パスタ エ パターテ
・平目 燻製キャベツ レモン
・牛ほほ肉 ポレンタ サルサヴェルデ
・苺 金柑
・ティ・ラ・ミ・ス
・カフェ プティフール

全7皿を目と舌で美味しく味わい、食べながら誰かと語り合いたくなるような「アルマーニ/リストランテ」の冬のコース。さあ、アナタは誰と出かけましょう⁉