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2022.12.14

アナタ、何も知らずにコーヒーを飲んでいませんか? 大人のコーヒー「楽」入門

毎日何気なく飲んでいるコーヒー。通う店や買うメニューは決まっていても、それ以上の詳しいことは知らないまま、なんとなく飲んでいる人も多いのでは? でも、実はコーヒーの世界ってとても深いのです。少し興味をもって学んでみると、コーヒーを味わう楽しみがぐっと広がりますよ。

CREDIT :

文/井上真規子 写真/岸本咲子 編集/森本 泉(LEON.JP)

LEON.JP コーヒー ネスプレッソ
写真/shutterstock

コーヒーを楽しむために知っておきたいポイントとは?

戦後から広く普及し、いまや日本人の生活に欠かせない存在となったコーヒー。目覚めの一杯はもちろん、仕事中、ブレイクタイム、眠気を覚ましたい時……あらゆるシーンでたくさんのコーヒーが飲まれています。それなのに本当のコーヒーの楽しみ方を知らない人が意外と多い!? 

「コーヒー豆の鮮度に気をつけてる?」「香りを言葉で表せる?」「きれいな酸味って?」「お気に入りの銘柄は?」「砂糖やミルクを加えた世界の色々な飲み方を知ってる?」

みなさんはこれらの問いに幾つ答えられますか? コーヒーを語れるようになれば、毎日のコーヒータイムは何倍にも楽しくなるはず!

ということで、鮮度抜群の上質なコーヒーを手軽に楽しめるカプセル式コーヒー、専用コーヒーメーカーのトータルサポートを提供する「ネスプレッソ」でコーヒー アンバサダーを務め、世界中のコーヒーマーケットを熟知する上野里佳さんに、コーヒーの楽しみ方について伺いました。
LEON.JP ネスプレッソ コーヒー アンバサダー 上野里佳さん。
▲ ネスプレッソ コーヒー アンバサダー、上野里佳さん。
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ブラックか、ミルクコーヒーか?

── そもそも日本では、コーヒーをブラックで飲むのが基本ですよね。特に男性はその傾向が強いように思います。

上野 日本では第二次世界大戦後に質の悪いコーヒーが流通し、嫌な酸味に悩まされました。それでもなんとか美味しく飲もうと、酸味を感じにくい深煎りが主流に。ただ、深煎りは上手に焙煎しないとえぐみが出るので、布フィルターを使ったネルドリップで抽出する喫茶店文化が流行しました。そこからブラックの濃いコーヒーが好まれるようになったのです。

その経験から、日本人は今でもコーヒーの酸味はあまり好まないようです。あとはブラック=男らしさというイメージが定着していて、カプチーノやカフェオレが飲みたくても恥ずかしいと思う男性が多いようです。ヨーロッパやアメリカなど世界のマーケットと比べても、砂糖なしのブラックで飲む人が圧倒的に多いですね。
LEON.JP コーヒー ネスプレッソ
写真/NESPRESSO
── 確かに、カプチーノやカフェオレは女性の好きな飲み方というイメージがあります。世界では違うのでしょうか?

上野 イタリアでは男女とも朝にカプチーノを楽しみますし、砂糖をたっぷり入れたエスプレッソが大人気。アメリカやカナダも砂糖を入れて楽しまれる方が多いようです。ミルクの飲用が盛んなオーストラリアでは、エスプレッソに同量のスチームミルクを加えたピッコロという飲み方が人気。イギリスでも、エスプレッソ、スチームミルク、フォームミルクを3層に重ねたフラットホワイトをはじめ、色々な方法でミルクを入れて楽しまれています。

── 国によって色々な飲み方があるんですね! 

上野 色々な楽しみ方を知っている方が、味のレパートリーが広くてグルメだなと思います。読者の皆さまも性別のイメージに捉われず、ぜひ色々な飲み方を試してみてほしいと思います。コーヒー豆の種類によってはミルクや砂糖との相性も違ってくるので、まずは好きな味のコーヒーを探して、飲み方を広げてみてください。今はオーツミルクや豆乳、アーモンドミルクなども流通していますし、可能性は無限大です。
LEON.JP コーヒー ネスプレッソ
写真/shutterstock

【POINT】

● 日本人は世界の中でもブラックで飲む人が圧倒的に多い
● 日本では戦後、質の悪いコーヒーが出回ったことで、その対策として酸味を感じにくい深煎りが主流になった
● 世界では砂糖やミルクを入れて様々な楽しみ方をしている

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コーヒーを楽しむ5つの要素。中でも決め手は?

── コーヒーの味の話を伺いましたが、日本人はコーヒーをよく飲むのに味や香りなどについて語れる人は意外と少ない印象です。

上野 確かに、ワインなどに比べると知識が浸透していないですね。コーヒーを楽しむ要素には、酸味苦味甘み香り、そしてコクがあります。なかでも決め手になるのが、香り。どれだけ美味しい銘柄のコーヒーでも、香りを失えば美味しさは半減します。鮮度が下がると酸化が進んで香りが消え、悪い酸味も出てしまうので、コーヒーは鮮度が命。挽いたコーヒーの粉は2日間で風味の1/3を失うと言われています。

── 2日で1/3! 自宅で1袋飲み切るのに2週間近くかかってしまいます……。

上野 酸化を防ぐには、酸素、光、湿気を避けることが大切です。袋に入ったコーヒー豆や挽き豆は、都度袋をすぐに閉じて冷蔵庫で保管し、1週間くらいで飲み切ってください。1杯につきコーヒー粉10gが目安ですから、1度にたくさん買わず、計算して買うのがおすすめ。個包装のドリップコーヒーも便利ですね。ネスプレッソでは鮮度を守るため、1回分(挽いたコーヒー粉5〜6g)ずつアルミニウム製のカプセルに入っていますので、鮮度管理の心配も不要ですし、毎回好きな種類を選べます。
LEON.JP コーヒー ネスプレッソ
▲ ネスプレッソの「ヴァーチュオ」向けカプセルコーヒー(写真手前)。
── なるほど。そして先ほど、酸味に嫌な思い出がある日本人という話が出ましたが、いい酸味は味わいの魅力でもあるのですね。いい酸味と悪い酸味の違いを教えてください。

上野 酸っぱすぎると感じたら、悪い酸味の可能性があります。喉を通る時にザラザラ、イガイガしたり、段ボールのような臭いがすることも。ドリップされてホットプレートに置かれているものは時間が経つと酸味が強くなっていきます。一方、良い酸味とは、口あたりがなめらかでクリアです。メキシコなどでは、酸味がないとコーヒーじゃないと感じる人も多く、ライムを入れてより酸味を引き立てる飲み方もあります。

【POINT】

● コーヒーを楽しむ5大要素は酸味、苦味、甘み、香り、コク
● 挽いたコーヒーの粉は2日間で風味の1/3を失う
● 酸化を防ぐには、酸素、光、湿気を避けることが大切
● いい酸味は口あたりがなめらかでクリア

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コーヒー本来の香りとは?

── ドリップされたものも酸化するとは!

上野 実は日本で提供されているコーヒーの多くは残念ながら鮮度を保てていないことも多いです。抽出して時間が経ったものは酸化しますし、そもそもコーヒー豆や粉の段階で酸化していることもあります。生豆を販売する専門店では透明のガラスケースにディスプレイしている場合が多く、光による酸化も気になります。挽きたてコーヒーをうたうお店でも、時々コーヒー豆が入っている透明のケースがコーヒー豆の油でベトベトになっていたりします。そのようなコーヒー豆は、鮮度が失われている可能性が高いです。

── そうだったんですね……。コーヒーのいい香りがすると思っていました。

上野 コーヒー豆が光、酸素、湿気にさらされて劣化が進み、味の質が落ちていることに気づける日本の消費者はまだまだ少ないですよね。街中で感じるコーヒーの香ばしい香りは焙煎によるもので、本来のコーヒーの香りが失われていることも多いです。コーヒー豆本来の香りというのは、チョコレートや穀物、キャラメル、スパイスなど、豊かで華やかな香り。日本人は優れた味覚を持っているのに、知らないためにコーヒー選びを間違えていることも多いのです。だからこそ、基礎知識を身につけて美味しいコーヒーを楽しんでほしいですね。

── ところで、コーヒーの淹れ方にも色々あると思いますが、どんな特徴があるのでしょう?
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写真/shutterstock
上野 抽出方法は代表的なものでドリップエスプレッソがあります。ドリップは紙や布のフィルターに挽き豆を入れ、お湯をゆっくりと回しかけて蒸しながら抽出する方法。紙は油分が濾されてさっぱり仕上がりますが、布は目が粗く油分も一緒に抽出されるのでまったりとした味わいになります。

一方で、エスプレッソは挽いたコーヒー粉に9気圧以上の圧力をかけて短時間で抽出する方法です。旨味が凝縮されたなめらかな口あたりのコーヒーになります。ドリップもエスプレッソも手作業の場合は技術が必要になりますが、マシンであれば味や香りも安定します。

ネスプレッソのコーヒーメーカーはカプセル式で、遠心力を使って抽出する「ヴァーチュオ」と最大19気圧の高圧力で抽出する「オリジナル」の2種類です。どちらも鮮度が守られた高品質なコーヒーをいつでも簡単に淹れることができ、忙しい方や様々な味わいのバリエーションを楽しみたい方などにもおすすめです。
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▲ ネスプレッソのコーヒーメーカー。左が「オリジナル」、中央が「ヴァーチュオ」、右がミルク加熱泡立て器「エアロチーノ」。

【POINT】

● 日本の街中で提供されるコーヒーでも鮮度が保てていないことが多い
● コーヒー豆本来の香りはチョコレートや穀物、キャラメル、スパイスなど、豊かで華やかな香り
● 主なコーヒーの淹れ方はドリップとエスプレッソ。どちらも手作業で美味しく淹れるには技術を要する

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コーヒー豆にはどんな種類がある?

──  コーヒーの豆には様々な種類がありますが、味わいの違いなど知っておくべき基礎知識を教えてください。

上野 まず飲用として主流のコーヒーは、アラビカ種ロブスタ種という2大種でほぼ占められています。アラビカは華やかな香りと酸味が特徴で、世界のコーヒー生産量7割を占めています。一方、ロブスタはより力強い味わいで苦味やコクを感じやすい種で、生産量は全体の3割ほど。栽培期間は約5年で、種まきからコーヒーチェリーの収穫まで、花をつけてからはアラビカ種が6〜9カ月、ロブスタ種が約11カ月ほどです。

── アラビカは華やかで、ロブスタは力強いんですね。実の収穫から生豆になるまでの工程も知りたいです。

上野 コーヒーチェリーは、緑色から赤色に変わったら完熟(イエローブルボン品種などは黄色で完熟)。そこから手作業で完熟したものだけを選別して収穫します。ちなみにコーヒーチェリーから出る果汁の糖度が高ければ、美味しいコーヒーになると言われています。

収穫後は、24時間以内に種を取り出して天日干しします。コーヒーチェリーには果肉がほとんどなく、中心にペクチンというプルンとした物質に包まれた種が2つ向い合って入っています。ペクチンは甘みがあるので、天日干しをして種に甘みや美味しさを染み込ませる方法で生豆を完成させるなど、いくつかの精製方法があります。ここまではすべて原産国で行っています。
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▲ 左からコーヒーチェリー、生豆、焙煎した豆、挽いたコーヒー粉。
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── 世界には様々な銘柄が存在していますが、アラビカとロブスタを色々な土地で育てることで、味が変わるということですか?

上野 そうですね。栽培品種やテロワール、生産方法など諸条件が積み重なって一つの銘柄になります。エチオピア、インド、ニカラグア、ブラジル、ペルーなど、原産国や地区ごとに味が変わってきますし、土地ごとに適する品種も異なります。

よく聞く「特定銘柄コーヒー」は、生産国や地域、コーヒー種などが定義されたコーヒーのことで、現在14種あります。

代表的なものでは、ジャマイカのブルーマウンテン地区で生産された「ブルーマウンテン」、タンザニアで生産されたアラビカ種の「キリマンジャロ」、インドネシアのスラウェシ島カロシ地区で生産されたアラビカ種「トラジャ」、イエメンで生産されたアラビカ種「モカマタリ」などがあります。
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写真/shutterstock
── ワインでいう、フランスのボルドー地区やブルゴーニュ地区のようなイメージですね。

上野 まさにそうだと思います。こうした特定銘柄コーヒーは、その土地、テロワールならではのコーヒーの味わいをダイレクトに味わえます。でも、それらをすべて覚えるのは大変だと思いますので、まずはブラジル(南米)、インドネシア(アジア)、エチオピア(アフリカ)という3つの原産国から抑えてみてください。ブラジルは酸味、苦味、コクのバランスが取れた味わいで、インドネシアは個性的。エチオピアは華やかな香りときれいな酸味が味わえます。

まずはシングルオリジン(単一原産国)から楽しんで、いろいろな原産国の味を知っていくところから始めてみるとよいかと思います。これを覚えておけば、「コスタリカとブラジルのフレンド」と言われた時に味のイメージができるようになってくるはずです。

── ちなみにブレンドコーヒーというのは数種の豆をブレンドしたということですよね?  ストレートコーヒーに比べると安いコーヒーというイメージがありますが。

上野 確かに喫茶店でもブレンドより単一原産国のコーヒーの方が高い傾向にあるように思います。でも、決してブレンド=安い豆というわけではなく、産地の違う豆をブレンドすることで、それぞれの良さを生かして味わいに奥行きと立体感を持たせることができます。ネスプレッソでもそのようにして様々な産地の豆を最適にブレンドすることで個性的で贅沢な味わいのコーヒーをたくさん作っているので、ぜひ味わってみてください。

【POINT】

● コーヒーノキは、アラビカ種とロブスタ種という2大飲用種で占められていて、アラビカ種が7割、ロブスタ種が3割
● 「特定銘柄コーヒー」は公的機関から認定された銘柄のことで、現在14種ある
● まずはブラジル、インドネシア、エチオピアという3つの原産国から抑えてみるとよい
● ブレンドコーヒーは複数の豆の良さを生かして新たな味わいをつくっている

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コーヒーは、焙煎がすべて?

── さて。原産国から届いた生豆は焙煎されてから販売されるわけですよね。最近はコーヒー屋さんの店内に大きな焙煎機を備えた店もありますが、焙煎によってもコーヒーの味は大きく変わるのでしょうか?

上野 焙煎も、コーヒーの味を決める大切な工程です。焙煎のレベルは大きく分けると浅煎り、中煎り、深煎りの3段階に分けられます。コーヒーの種には油脂分があり、焙煎が強くなると中の細胞が壊れて豆の外側にオイルが染み出してきます。時間と温度で煎りの度合いは変わり、コクや酸味、アロマ、油分が変化していきます。

浅煎りはオイルが少なく、弱めのコク、繊細なアロマに仕上がり、産地独特の味わいや香りが出て、酸味も強めに感じられます。中煎りは軽いオイルとバランスの取れた風味、アロマ、酸味が特徴。深煎りになると、しっかりしたコクとベルベットのような口あたりがあります。苦くスモーキーで焙煎の風味が出るので、原産国独特の風味は隠れやすくなります。

またコーヒーと言えばカフェイン量を気にする方も多いと思いますが、実はカフェイン量は焙煎が進むほど減少するので、深煎りよりも浅煎りの方がカフェイン量は多いのです。
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── コーヒーの味が濃い方がカフェインが多い印象がありますが、違うんですね。ところでどうやって焙煎の度合いを決めるのですか?

上野 コーヒー豆ごとに美味しさを引き出す焙煎は異なるため、例えば230度前後の高温で短く8分、180〜200度の低温でじっくり12分など、テロワールや品種によって細かく変えていきます。エチオピアであれば、浅煎りで仕上げることでジャスミン、百合、オレンジの花のような香りが出てきます。少しでも焙煎を間違えるとこれらの香りは出ないため、とても難しい技術です。ネスプレッソでは、単一原産国の味わいを楽しめるカプセルコーヒーでも味に奥行きと立体感を持たせるため、浅煎りや中煎りなど複数の焼き方で焙煎を行っています。

── シングルでも焙煎を変えることがあるということは、当然、ブレンドも豆ごとに焙煎は変えるのですね?

上野 はい。ブレンドする前の生豆を別々に焙煎することをスプリット・ロースティングというのですが、例えばアフリカ産のコーヒー豆は酸味が特徴なので浅煎りにして、残りは深煎りにすることで味に奥行き感や変化を出すことができます。ただし焙煎をするとすぐに酸化が始まるため、複数の焙煎機が揃っているなどの環境がないと、なかなか難しいのです。ネスプレッソは、そうした設備も整っているので様々な種類の味を出すことが可能です。日本では、そこまで緻密にスプリット・ロースティングを行えるロースターは数少ないと思います。
──  日本ではずっと深煎りが好まれたのでしょうか?

上野 近年、繊細なアロマが残る浅煎りが北欧などで再注目されています。日本でも「サードウェーブコーヒー」としていくつかのコーヒーチェーンが進出しています。北欧のような硬水の土地と浅煎りは相性がいいのですが、日本のような軟水の土地で浅煎りのコーヒーを淹れると、酸味がより際立つことがあります。そのため苦手に感じた方もなかにはいらっしゃったかもしれませんね。

── 水によっても味が変わるんですね。

【POINT】

● 焙煎のレベルは大きく分けると浅煎り、中煎り、深煎りの3段階に分けられる
● カフェイン量は深煎りより浅煎りの方が多い
● 焙煎はコーヒー豆のテロワールや品種によって温度と時間を細かく変えていく
● 日本の水では浅煎りコーヒーは酸味が強く感じられる

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コーヒーにはテイスティングという楽しみ方もある

上野 最後にコーヒーのテイスティングをしてみませんか。北欧や欧米ではワインと同じようにコーヒーのテイスティングがよく楽しまれています。

── 日本ではあまり聞きませんね。どうのようにするのでしょう?
LEON.JP コーヒー ネスプレッソ
上野 では、こちらのシングルオリジンの「コロンビア」で試してみましょう。コーヒーを抽出したら、まずクレマ(泡)を見ます。クレマがあることで焙煎香と繊細なアロマを最後のひと口までとどめてくれます。コーヒーによって、クレマ一つひとつの大きさや色が違いますし、深煎りは濃い色、浅煎りは明るめのブラウンになります。

── なるほど。

上野 次は香り。どんな香りがするのか鼻で確認してからスプーンでクレマをグラスの端に寄せて、2段階で香りをチェックします。それぞれどんな香りがするか言語化してみてください。
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── すごくいい香りですね。赤ワインのような熟した香りもするし、フルーツのような香りもします。これはテイスティング用のグラスでしょうか?

上野 はい。普通のカップでも良いのですが、ネスプレッソでは、リーデル社と共に形状の異なる3種類のテイスティング用グラスを作りました。例えば口径が違うと首の傾きが変化して液体が一番初めに舌に当たる部分が変わります。それによって味わいの違いを感じやすくなるのです。

舌先は甘み、両側は塩味、奥の両側は酸味、奥の中央は苦味を感じるので、グラスごとに味の感じ方が異なります。実際に体験するととても面白いですよ。

── あまり酸味は得意じゃなかったんですが、これは美味しいです。

上野 きれいな酸味が出ていると思います。酸味はミルクと相性がいいので、ラテやカプチーノもおすすめです。

── テイスティングで豆ごとの味を覚えていくと、楽しみがぐっと広がっていきますね。

上野 はい。ぜひ、試してみてください。先ほどお話したコーヒーの基礎に加えて、味わいを語れるようになれば、コーヒーを飲む楽しみは一気に広がります。

【POINT】

● テイスティングをして味を言葉で表現できるようになるとコーヒーの楽しみが広がる

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LEON.JP コーヒー ネスプレッソ


ネスプレッソとは?

コーヒーチェリーの栽培から手がけ、鮮度を守るアルミニウム製カプセルに密封された高品質なコーヒーをコーヒーメーカーにセットするだけで、面倒な操作も必要なく誰でも手軽に本格的なコーヒーが楽しめる「ネスプレッソ」。そのコーヒーシステムは、高圧力で抽出する伝統的なエスプレッソの抽出法を採用した「オリジナル」と、独自の「セントリフュージョン」(遠心力抽出法)を採用した「ヴァーチュオ」の2種。カプセルには豊富なバリエーションがあり、好みやその日の気分に応じてさまざまな味と香りを楽しむことができる。
単一生産国のコーヒー豆のみを使用し、さらにその国の熟練の職人の手仕事による特別な製法を用いた「マスターオリジンズ」シリーズのコーヒーが「オリジナル」向け5種、「ヴァーチュオ」向け4種展開のほか、季節や地域限定、世界の優秀なバリスタたちが生み出すレシピにインスパイアされた「バリスタ クリエーションズ」シリーズなど「オリジナル」向け・「ヴァーチュオ」向け各全30種以上が揃う。この冬は「ピエール・エルメ・パリ」とコラボして共同開発した計6種の数量限定コーヒーが話題。
HP/カプセルコーヒー&コーヒーメーカー|ネスプレッソ公式

LEON.JP コーヒー ネスプレッソ

● 上野里佳(うえの・りか)

スイスのローザンヌでホテルマネジメントを学び、国内外のホテルで勤務をした後、2009年にネスプレッソに入社。2012年にネスプレッソ コーヒー アンバサダーが発足と同時に日本のアンバサダーに就任。ネスプレッソ コーヒー アンバサダーは専門的なトレーニングやテストを経て、スイスにあるネスプレッソ本社のコーヒーチームから直々に任命されたメンバー。人々により豊かなコーヒーライフを堪能してもらうために、ネスプレッソのこだわりや楽しみ方を伝える活動をしている。現在は世界で30名。上野さんは日本で唯一のコーヒー アンバサダー。

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