【グッチ、ディオール、サンローラン】差がつく大人パーカってこういうこと

少し前からラグジュアリーブランド界のトレンドは、ブランドロゴをデカデカとプリントしたデザインが流行ってましたが、今季はちょっと傾向に変化が見られます。カレッジアイテムを思わせる古着ライクなプリントやアーティストフィーチャー、歴史と伝統にオマージュを捧げたリバイバルなど、メゾンのアイデアは日々刻々と進化を遂げているんです。 

そんななか様々なプリントをあしらったスウェットパーカが今春は続々登場しています。フロントには各ブランドが趣向を凝らしたレタードプリントがあしらわれていて、一瞬わからないかもしれませんが、よくよく見れば誰もがご存じのあのラグジュアリーブランドですので、気づかれたときの威力は絶大です。「え、コレって○○なの！」と驚かれれば鼻も高々。お値段だって、それなりですしね。 

シルエットはゆったりと落ちる今風のリラックスフィットなので、あえて大人が着ることで余裕ある気分を漂わせられますし、コーディネートだって難しく考える必要はありません。誰にでも着こなせるスウェットパーカですから、一枚でシンプルに着るだけでラグジュアリーかつスポーティな着こなしが簡単に仕上がります。この春のヘビロテ間違いなしのアイテムですよ。 

NYを拠点に活動する話題の現代アーティスト、ダニエル・アーシャムとコラボレーションした今季のディオール。こちらのパーカは、サマー 2020 メンズ コレクションのショー会場に設置された彼の作品「Future Relics」の精神に則って作成された「DIOR」の3Dロゴがアクセントです。「フィクションとしての考古学」をコンセプトに作品を発表し続けている彼らしく、未来の考古学者が発見した遺跡を思わせるアートピースをスウェットパーカというキャンバスに移植することで、パーカそのものがアート空間になっています。

フェルト加工を施した厚手のコットンジャージーは、裏毛ループのヘビーオンススウェット。これを、ポケットのないビッグシルエットのパーカにアレンジしました。「GUCCI BOUTIQUE」のロゴに加え、ブランドのアイコンであるホースビットとウェブ ストライプをあしらって、ヴィンテージ調の雰囲気に仕上げているのがポイント。最新のモードをグイグイと牽引するグッチらしく圧倒的な存在感を放っています。

2019年６月、アメリカ西海岸・マリブビーチで20S/Sのランウェイショーを開いたサンローラン。この地名を、まるで古着のスウェットのようにかすれたヴィンテージ風味のロゴプリントに採用しました。ショーはモデルたちが波打ち際ぎりぎりを歩くという演出で、波の音に乗せて音楽が流れるという贅沢なもの。マリブはセレブの別荘地として知られる街だけに、古着風のスウェットパーカもリッチなスポーティさを漂わせますよね。

今季は、紋章やバンダナデザインのプリントなど、メゾンのアイコニックなモチーフを採用。こちらはプリントで「DG ROYALS」「HERITAGE」と描かれたスウェットパーカで、かすれたプリントデザインにすることで、ヴィンテージ風味の味わいを感じさせます。シルエットもレギュラーフィットにして、スポーティな印象をキープしています。

表裏がバイカラーになったボンディングジャージーのスウェットパーカは、フロントにブランドのイニシャル「B」と創立年を大胆にあしらいました。マーブルサブリメーションプリントと呼ばれる最新式のプリント技術で、従来のシルクスクリーンとはひと味違ったマーブル調のロゴデザインが完成。大胆に目立てるロゴですが、ブランド名じゃないあたり、見る人が見れば通じあえるスペシャルなアイコンという意識が感じられます。