この週末、何作る？　人気マンガから学ぶ簡単自炊レシピ

1日の大半をおいしいものを夢みて過ごすLEON.JP食いしん坊担当秋山 都です。
日夜リサーチと取材に余念なく、西に話題の店あれば新幹線に乗り、東にうまいものあればクルマを飛ばすという生活を送っているため、エンゲル係数はかなり高めの方かと。
とはいえ、揚げ物が続くとあれ？　少し胃が重いかも？と首をかしげるお年頃。毎日の外食は身体にも疲れが残るし、やはり家計にも負担がかかります。

ということで、原則、夜の外食は週に4回程度（え、充分多すぎる？）。残りの3日は好きなものを好きなように作って食べています。この自炊、最初こそ料理本など見ながら作っていましたが、最近はかなりテキトー。平野レミさんが、「大さじはア～アという呼吸でね」とおっしゃっていたのをいいことに、材料はほぼ目分量。結局食べるのは自分（と家族）だけですし、誰にも文句は言わせません。

そんなアドリブ自炊ですが、それでもアイディアソースというものは必要でして……最近の私がもっぱら参考にしているのはマンガです。レシピもきちんと書いてないことが多いし、出来上がりは白黒の絵（当然ですね！）なわけですが、だからこそ自由度が高い。というわけで、今日はマンガ由来のレシピより、拙宅で特にヘビロテしている2品のレシピをご紹介いたします。

ハイ、こちらは福岡土産の定番めんたいこを使った一品です。めんたいこは結構高いので、自分で購入する場合には、“こわれ明太子”で充分。では、その作り方を一部抜粋してご紹介しますね。
電車の中でふたりの男性が「超簡単で超うまい丼」について話しているのを、主人公の女性がそっと聞き耳立てているシーンです。

「まずは、丼にごはん入れんじゃん？」
「はい、入れましたぁ」
「で、豆腐を手でぐちゃぐちゃってやってごはんの上にのっけます」
「豆腐？　どんくらい？」
「えー、適当。一個の半分くらい」
（主人公の心の声）「丁ね。半丁！」
「生で？」
「生て‼　お前……買ってきたそのままだよ。そんでその上にめんたいこを皮から出して全体にのっけるわけ」
「うんうん」
「そんでその上に刻みネギをばあってふりかけます」
「ネギ？　白いの？　緑の？」
「俺は白いのだけど、万能ネギとかでもオッケー」
「ネギって無きゃ絶対ダメ？」
「うーん…ネギはなくても…いや‼　やっぱネギポイント高い……で、ここが超重要なんだけど、その上にバターひとかけのせる」
「バターひとかけのせる！」
（主人公の心の声）「バターひとかけのせる‼」
「そんでレンジで1分か1分半チンして調理終了。そこに醤油ピピピッとかけてできあがり」

ということなんです。簡単でしょう？
この会話の中でも強調されているように、このレシピではバターがかなり重要な役割を果たしています。また、めんたいこの塩気が強いので、醤油は１、2滴で充分。私が作った上の写真では、豆腐を包丁で切ったり、大葉をのせたりアレンジしておりますが、このあたりはお好みでどうぞ。

レシピの出展元となったマンガはこちら「花のスボラ飯」。
ご主人が単身赴任中の若妻、花が作るズボラでおいしい簡単ごはんを紹介しつつ、ゆるい日常が綴られています。「孤独のグルメ」でも知られる久住昌之氏の原作に、水沢悦子氏のかわいい絵が合わせワザとななり、男性マンガファンも少女マンガファンもどちらも楽しめる一冊かと。

お次もごはんもの。こちらもごく簡単でして、まず材料は下記の通り。

（3～4人分）
・ごはん（米2合）
・うなぎ（焼いて売っているもの1本～2本）
・高菜漬け（お好み量。米2合なら手のひらに軽く盛るくらい）
・たまご（炒り卵にしておきます。米2合なら１～2個）

ごはんが炊きあがったら、うなぎを（串焼きなら串からはずして）乗せ、そのままフタをして10分ほど蒸らします。その間に高菜をざく切りにし、卵を少し多めの油で炒り卵にしておきます。
うなぎが充分温まったら、そこに高菜と炒り卵を加え、うなぎについてきたタレを加えて、しゃもじでさっくりと混ぜてできあがり。

丁寧につくるなら、うなぎはあらかじめ一口大に切って置いてもいいのですが、ごはんを混ぜるときにホロホロとくずれますので、そのままのっけてもOK。少量のうなぎでも、うなぎを食べた感じが存分に味わえて、なにしろ美味しい節約レシピです。
また、うなぎはそんな高価なものじゃなくても大丈夫。とはいえ、我が家では国産のうなぎで比較的安価なものを探して使っています。

BL(ボーイズラブ）ものでも知られるよしながふみさんの名作「きのう何食べた？」はゲイの男性カップルの毎日の献立を紹介するシリーズ。この「うなぎと高菜と卵のまぜごはん」だけではなく、我が家でヘビロテしているレシピが多数掲載されています。読んでるとお腹がく～っとすいてくるマンガ、一冊いかがでしょう？