2017.08.09

お米を食べるための中華!? 白ごはんで楽しむ中華料理/「銀座やまの辺 江戸中華」

文/柏木 智帆
中華料理
美味しい中華料理を食べていると、白ごはんが欲しくなる。そんな経験はありませんか? 油が多くて味がしっかりした中華料理には、白いごはんはぴったりだと思うのです。けれども多くの場合は、中華にはチャーハンか麺。大衆的な中華料理店ならばまだしも、高級店では序盤に白いごはんを頼むことさえ憚られる感じです。しかも炭水化物はコースの締めまでおあずけ。あ~白ごはんで中華料理を味わいたいのに! そんなあなた(意外に多いですよね!)の隠れた願望を叶えてくれる素敵なお店が「銀座やまの辺 江戸中華」です。

白ごはんは料理を楽しむためのチェイサー

新橋駅から徒歩5分。「銀座やまの辺」と書かれた小さな看板と灯籠だけが目印です。看板の左下に「江戸中華」と小さく記してありますが、どう見ても和食店。細い階段を降りて店内に入っても、やはり和食店の雰囲気があります。
銀座やまの辺 外観
「日本の旬の食材を中華の技法で食べようというのが『江戸中華』のコンセプトです」と説明してくれたのは、オーナーシェフの山野辺仁氏。銀座「天厨菜館」グループ各店で料理長として歴任後、2015年8月にこの店をオープンしました。

「たとえば春巻きならば、春は山菜の春巻き、夏はハモとトウモロコシの春巻き、秋は松茸の春巻きと、季節感を大事にした創作中華料理をお出ししています」

そうした日本的な趣向もあるこの店では、和食店さながらに炊きたての白ごはんが土鍋ごと登場します。お米は千葉県産コシヒカリ。山野辺氏みずから田植えと稲刈りに行っているそうです。料理は、全10品前後のおまかせコースのみ。
銀座やまの辺 内観
一般的にコース料理では、ごはんは締めに提供されますが、ここでは序盤から土鍋ごはんがカウンターの上に置かれます。

「ごはんは食べたい時にお声をかけていただければお好きなタイミングでお出しするスタイルです。料理は少量ずつですが、チャーシューや麻婆豆腐などには白ごはんがほしくなりますよね。そこで、チェイサー代わりにごはんをお出ししています」

なんと、チェイサーライス!この店では、白ごはんは「主食」ではなく「チェイサー」の存在なのです。たとえばトンポーローが出たらミニ角煮丼、フカヒレが出たらミニフカヒレ丼というふうに、セルフで料理と白ごはんのマリアージュを楽しむことができるのです。

のどぐろの蒸し煮と白ごはんの組み合わせは絶品!

そして、こちらの準定番となっているのが「のどぐろの蒸し煮」と白ごはんの組み合わせ。醤油、太白胡麻油を使ったネギ油、上湯(しゃんたん)スープをかけたのどぐろの切り身をふっくらと蒸して、白髪葱を乗せた一品です。
銀座やまの辺 「のどぐろの蒸し煮」
のどぐろに負けない旨みをプラスするため、土鍋に昆布を入れて炊飯します。炊きあがったごはんは、もっちりしすぎず、適度な粘りで米粒がほろほろとしているため、のどぐろの脂と絶妙な相性。油を多用する中華料理全般に合いそうな白ごはんです。
銀座やまの辺「白ごはん」
「中華料理は常に油を使うので、ベースの油は、さらりとした米油を使っています。旬の食材本来の味をシンプルに生かして、当たりの軽い料理や胃もたれしない料理をお出ししています」と山野辺氏。何とも女性にうれしいお店。和食よりもパンチがほしい、かと言って中華料理は重たい…。そんな揺れ動く女性心を絶妙に捕らえています。
銀座やまの辺 「のどぐろの蒸し煮」と「白ごはん」
ここまで白ごはんにこだわるのは、山野辺氏自身が大のお米好きだから。「お米を食べるための中華です。ごはんが好きな人に悪いやつはいません」とまで言い切る山野辺さんおすすめのお酒は、またもやお米。とは言え、日本酒ではなく、糯米を使った紹興酒です。

この店では、紹興酒をはじめとした黄酒(ほあんちゅう)を常時8種類そろえています。定番人気は、糯米と小麦を使った「唐宗(タンソン)10年」。芳醇な香りと、まろやかな甘みとコク。ワイングラスに注いでくれるので、美しく澄んだ赤褐色の見た目も楽しめます。

そして、女性に人気なのは、「石庫門(シークーメン)12年」。糯米のほか、クコ、ハチミツ、干し梅、生姜を使っています。ハチミツの甘い香りがするものの、味わいは唐宗よりもさっぱり。料理の口直しに黄酒を飲むも良し、白いごはんをアテに黄酒を飲むも良し。お酒もごはんも進みすぎてしまいそうなお店です。

◆ 銀座やまの辺 江戸中華

住所/東京都中央区銀座8-4-21保坂ビルB1F
営業時間/16:30〜23:00
定休日/日・祝 他不定休
予約・問い合わせ/☎03-3569-2520

●夜は税・サービス料別で1万5000円から
● 柏木 智帆
元神奈川新聞記者。取材を通じてお米とお米文化に興味をもち、お米農家を経て、現在は「お米を中心とした日本の食文化の再興」と「お米の消費アップ」をライフワークに執筆活動を続けている。ちなみにお米でできた日本酒も大好き。

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