2017.03.23

オヤジのトキメキダイニング

東京・中央区 [セイジュ]

※本特集は2016年6月号で掲載した企画の抜粋です

伝説の名店の味を静かに継承

もしかするとワインリストは東京の天ぷら店で一番かも/フランス料理店でもお目にかかれないようなワインリストから選んだのは、春の天ぷらにふさわしいシャンパーニュの王様、ジャック・セロスのブリュット・ロゼ。清水氏の真摯な天ぷら談議と天ぷらの揚がる音をつまみに、最高の夜をお楽しみください。

「清壽」の大将清水氏は、料理人を志したわけではなく、たまたまひょんなきっかけで働き出した天ぷら店でその素晴らしさに魅了されてしまい、天ぷら道を突き進むことを決意しました。その店こそ残念ながら今はなき伝説の天ぷら店、「楽亭」。実はYULI*YULIも今回久々に訪ねようと思っていたら、御主人のご不幸で去年閉店していたことにびっくり。そしてそのDNAを受け継いだ店が築地にあると聞き、「清壽」に出合ったというわけ。場所は築地の晴海通り。ビルの地下に降りると現れる和の空間がそうです。ゆったりと贅沢に席をとった13席だけのカウンターが広がります。

旬を知り尽くした江戸前天ぷらの数々/左から「そら豆」。「楽亭」の主人には野菜は洒落で、と教わったそうですが、春野菜は美味なるもの。中は「車海老」。王道の天ぷら店と言えば、最初に揚げるのは海老という決まり。「稚鮎」は琵琶湖だけ捕ることが許されているのだそう。薄〜い衣で苦味と香りをいただきます。

清水氏は「楽亭」修業時代に亡き主人から“一店舗一職人”と言われ、2008年に独立。寿司屋では数人で握っていることも珍しくないけれど、確かに天ぷら店で揚げているのはただひとり。フレンチのような流れ作業もなく、ひとりで黙々と天ぷらを揚げていく画は、料理業界で一番の職人業かもしれない。シンプルな料理ゆえに出る個性。この味がいつまでも続きますように。

こだわりリスト

油=煎ってない胡麻油◎、塩=四国の塩◎、大根おろし=卸金でおろす◎、出汁=鰹◎、柑橘=レモン◎、〆=かき揚げ、天丼、天茶◎、デザート=季節のシャーベット◎、です。

天ぷら店では珍しい設え
お茶室の待屋のような設えがあります。床の間風の棚には季節の掛け軸も。ほっとするような和の空間です。
☎03-3546-2622
東京都中央区築地3-16-9 アーバンメイツビルB1F
営業/17:00〜21:00(L.O.) 月休
●1万5000円コースのみ、ハーフボトルシャンパン5500円〜※サービス料5%別途

東京都中央区築地3-16-9 アーバンメイツビルB1F

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