With NIKITA

手間をかけた分味わいがしっかり表現される

今月の一本Les Fiefs De Lagrange

[レ フィエフ ド ラグランジュ 2012]

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4150円(750ml)㉄ファインズ ☎︎03-6732-8600

熟成がどう変化するのか楽しみなボルドー

「自分の味に対する裏付け」が確固たるものであれば心底美味しい、と感じるかと思います。では、人の言う「美味しい」は何が根拠なのか。ワインには特にそれを感じることが多いのです。最近、いろいろなお酒をテイスティングしてきて美味しさへの研究が進んでいるな、と思うのがボルドーワイン。今回紹介するシャトー・ラグランジュ、歴史は17世紀から続くワイナリーですが、1983年にサントリーが取得。その時から土地、ブドウ、栽培方法など、すべてのデータを蓄積しているのだそう(もちろんそれ以前のものも含めて!)。ボルドーワインはその年の個性を打ち出すシャトーが多いのですが、その中でもやはりシャトーが求める一本筋の通った味わいをどこに表現するのか。これはデータなしでは難しいこと。そう、ブレンド比率だけではなく、年月を重ねることでも変わってくるワインの味わいは何があってそこに着地するのか、生産された年のブドウの個性だけではない、奥深さがあるから面白い。

昨今は岩盤調査も進み、根っこから吸い上げる水分量と成熟度合もデータ化しつつあるとか。粘土質、砂地など土壌の質だけではない研究が目まぐるしい進歩を遂げているのです。この「レ フィエフ ド ラグランジュ2012」は特にそれを感じられる味わいだと思います。2012年はカベルネ・ソーヴィニヨン61%、メルロ31%、プティ・ヴェルド8%の比率。ブドウの成熟と凝縮を探求し、区画ごとに細かく熟成させている、非常に繊細な注意を払った賜物なのです。アタックにその緻密さと複雑さが見事に表現されていると感じることでしょう。エレガントの極みがここまで感じられるのには驚愕ですね!

PROFILE

藤崎さとこ●ワインスタイリスト
2017ワールドツアー、赤身牛肉専門焼肉店@ソウルからスタート。こなれたボルドーブレンドの赤ワインをグラスとともに持参。フレッシュな赤身肉を久しぶりの赤ワインで悶絶堪能。幸先良い一年になりそう。

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