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広見護の極上シガータイム
葉巻の秘密
02 April 2010
POSTED BY 広見 護

葉巻を吸っていて、ふと疑問に思うこと。ところで、こやつの中身って一体どんな構造になっているんだろう?だって、葉巻を根っこまで吸ったら唇と火種の距離は2センチくらいまで近づきます。たばこの火種の温度は700~800℃といいますから、700℃と唇の距離が2センチとは!よほど葉巻の中に断熱材でも入ってない限り火傷しちゃうような気がするのは私だけでしょうか?というわけで、今回は葉巻を分解してみました。

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ロングフィラーの構造
モンテクリストNo.4(定価1本1,300円)を分解した写真がコチラ。
写真一番右側が元の葉巻。で、一番左側の5枚位の葉っぱが「フィラー」といって
中に詰まっている葉っぱです。この5枚の葉っぱのブレンドで
葉巻の味やキャラクターは決まります。その右が「バインダー」といって
フィラーを束ねる役割の葉っぱです。2枚使われます。
その右が「ラッパー」といって葉巻の一番外側に巻かれる綺麗な葉っぱ。
普通、この葉っぱは1枚だけでできています。

cigar2

ショートフィラーの構造
サンルイレイ・ハーフコロナス(定価5本入2,000円)を分解した写真がコチラ。
ロングフィラーとの違いは、「フィラー」がブロークンリーフとなっていること。
更に低級品になると、「バインダー」がシートタバコ(=タバコフレーバーの紙!)が
使われたり、香料が添加されます。こうなるともう
“100%タバコ”の表示はできません。ショートフィラーの良さは
(1)味が均一(2)価格の安さ(3)燃焼性やドロー(=吸いこみ)も文句なし。
さらに(4)キューバ物なら“100%ハバナタバコ”の味も担保されます。
(5)セロハン包装されて管理も比較的楽。
吸い口はあらかじめカットされている、等など。つまり、
気取らないアウトドア向けって感じです。

葉巻って吸い口のキャップのところだけで糊止めされていますから、バンドを外してヘッドの1センチくらい下をカットすると、巻きスカートがほどけるようにスルリとラッパーがめくれてしまうんです。中から現れるのはニキータちゃんの下着ならぬ、ガサガサしたバインダーですが…。

葉巻には2種類あるというのは、前にも説明した通り。(葉巻の種類 -マシンメイドとハンドメイド- の項を参照)両者を比較してみましょう。葉巻には「ロングフィラー」と「ショートフィラー」がありまして、例えていうならば紅茶の葉っぱに「フルリーフ」と「ブロークンリーフ」があるのと同じこと。当然のことながら、ロングフィラーがフルリーフの高級品です。お茶の葉っぱと違って、タバコの葉っぱは大きさが30センチくらいありますから、葉っぱ1枚全部を小さな葉巻に詰めることは不可能。適時、葉巻のサイズに千切った5枚位の葉っぱが詰まっているのです。

ロングフィラーの葉巻というのは、保管に手間が掛る高級ワインのようなもの。一方、ショートフィラーの葉巻というのは、ピクニックのお供に相応しい缶ビールのようなものです。TPOに応じて両者を上手く使いこなし、皆さまなりの“極上シガータイム”をエンジョイしてください!

ところで、葉巻を分解しても中から出てきたのはタバコの葉っぱだけでした。100%天然の葉タバコに何も細工が施されておらず、時間を掛けて寝かせ、人の手で巻きあげただけだったということがわかりましたが、なんだか不思議ですね。人の手間と時間が味(=価値)の正体だったとは!なんだかモノゴトの真理を発見したような気分です。

では、また来週。

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PROFILE

広見護(ひろみ・まもる)

90年にソムリエ資格を取得後、単身キューバへ。銀座のフレンチレストラン在職中の97年、日本で初めて葉巻の書を著す。その後、外資系商社にてシガービジネスに携わり、06年から独自にシガーの輸入販売を開始。07年にはオリジナルシガーのブランドを立ち上げ、08年直営シガーバーをオープン。葉巻を吸い、書き、つくる、マルチプレーヤー。葉巻歴20年。

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